社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)
2019.12.27

大東 駿介 さん

大東 駿介 さん

障がいがあってもなくても、
自分を一歩進めるのは自分の心次第

社会には当たり前に障がい者と健常者がいるのに、両者に隔たりがあるのはなぜか? 自分にできることはないかと考えていたとき、運命的に映画『37セカンズ』に出合ったという大東さん。ベルリン国際映画祭・二部門受賞作に出演した胸の内を聞きました。

 子どもの頃、障がい者施設の近くに住んでいた。公園で車椅子の人、知的障がいの人とすぐに仲良くなって一緒に遊んでいたという大東さん。その一方でまわりの大人たちの偏見の目、差別の目が透けて見え、怖さを感じた。「自分が大人になって、あのときの感情をどう消化すればいいか考えていたとき、監督から電話をいただき、『どんな役でもいいので参加させてほしい』とお願いしたんです」

 大東さんは、介助者として主役の自立をそばで見守る役に。撮影が始まり、主演で脳性麻痺の佳山明さんほか車椅子の人のケアに最初は気を遣ったが、いつの間にか「助けてあげる」という意識から「明ちゃん、ここ行ける? 無理だったら俺がやるよ」という当たり前の作業に変わっていったことが発見だった。「実は心のバリアフリーが大事なのだと気づかされた」と語る。「作品全体で見ても、彼女が障がい者であるかどうかは関係なく、一人の女性の成長物語になっていた。この映画を撮り終えて強く感じたのは、障がいがあってもなくても、自分を一歩進めるのは自分の心次第ということです」

 明るい性格だけど、次々反省するのが好き。悩むたびに生きていることを実感すると大東さん。「頭の中がいつも散らかっている状態(笑)。でも、その分面白いことがあると思って、いろんなことに興味を持って、また散らかして。その経験から残ったものが財産になり、自分にしかない新しい道になっていくと信じています」

文:みやじまなおみ 写真:広田成太(機関紙「済生」2020年1月)
スタイリスト:服部昌孝
ヘアメイク:SHUTARO(vitamins)

『37セカンズ』

『37セカンズ』(C)37Seconds filmpartners

(C)37Seconds filmpartners

生まれたときに37秒間呼吸が止まったことが原因で、手足が自由に動かない脳性麻痺となった主人公ユマ。親友の漫画家のゴーストライターとなり、自分の作品として出せないことへの歯がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護な母・恭子との生活に息苦しさを感じていた。そんなとき、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で「新しい世界」を切り開いていくことになる。自己表現を模索しようともがくなかで、さまざまな人たちと出会い、思いもよらない展開で自立していく一人の女性の成長を描いた物語。

●監督・脚本:HIKARI
●出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、芋生悠、板谷由夏 ほか
2020年2月7日より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

大東駿介 さん


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