大のゴジラ映画ファンであるエリック・マキーバー監督から直々のオファーを受け、特撮シーン満載のアメリカ映画へ出演を果たした釈由美子さん。現在7歳の男の子のママでもあります。子育てとの両立でも気負わず、仕事を続ける秘訣について聞きました。

　2002年の映画『ゴジラ×メカゴジラ』の主演をきっかけに、その名が国境を越えた。「高校生の頃、あの映画に衝撃を受け、いつか釈さんと仕事をするのが夢でした」とマキーバー監督に言わしめ、『イケボーイズ』の出演を快諾したという。物語のカギを握る重要な役を演じ切り、完成したのは、日本の特撮とアニメ、アメリカの青春グラフィティが融合したアナザーワールド。「うちは息子も特撮が大好きで、試写を見て“すごく楽しかった！ ”と。映画館にも一緒に行こうと思っています」と母の顔をのぞかせた。

　今後の展望をたずねると、「今の私の最優先は、子どもを幸せに成人させること。次はこんな作品に挑戦してみたいといった欲はありません。でも、息子は“お仕事をしているママはカッコいい”と応援してくれる。ですから、ご縁があって、私で役目を果たせるなら一生懸命がんばるだけです」

　休みはもっぱら親子登山を楽しんでいるのだとか。「現代社会では動画やゲームに走りがちですが、山を歩くことで体力・精神的にも自立して、より子どもの成長を感じることができます。私自身も自然に学ぶことは多く、こうして地に足をつけて生きている人間が演じることで、見ている人に何かが伝わればうれしいです」

文：みやじまなおみ　写真：安友康博(機関誌「済生」2024年6月)
ヘアメイク：田中宏昌　スタイリスト：安永陽子
衣装クレジット：トップス・スカートともにミランニ/ドレスアンレーヴ、イヤリング ラ•キアーヴェ/ドレスアンレーヴ