第147回 ストレス対策
春先は人生のイベントが立て込む。慣れない環境でストレスが積み重なる。この時期、5月病といわれるように心身の不調を訴える人が多い。
ことに今年の春先は、寒暖差が大きかったので、体調の維持に苦労させられた。トランプ大統領の再登板によって経済が混乱し、直接、間接に振り回された人もいるだろう。
私も2月以来、花粉症を始め雑事諸々が重なって、今はストレスの塊。
私の場合はストレスが限界に近づくと、昔は口内炎が発症した。そんな時は「気をつけろ!」という黄色信号と考えた。ペースを落とし、市販薬を2、3回服用すれば、大過なくやり過ごせた。
そんな軽症で収まってくれないこともあった。便秘や膀胱炎など厄介な症状になった。いったん発症すると、憂鬱(ゆううつ)な気分になる。
かって3日連続で大阪と名古屋で五つの講演を引き受けた。テーマはそれぞれ違ったので、準備に時間をかけた。旅先のため食事も睡眠も不規則になる。そのうち便秘状況に陥った。
最終日は三重県津市での某大会であいさつを述べる予定だったが、「もう無理だ」と新幹線の車中からドタキャンの電話をした。
帰京後も1週間くらいは苦しんだ。ストレスはやっぱり恐ろしい。
毎日の生活や仕事にはストレスが、避けられない。ストレスのない仕事は価値がない。大きいストレス覚悟で前に進まなければならない。
経験を重ねると、ストレス対策の要領が分かってくる。
重視しているのは日常の健康管理。食事、運動、休養の基本の3要素を愚直に守っている。特にあの苦しかった便秘を二度と経験しないため、納豆、ヨーグルト等の発酵食品は毎日欠かせない。さらにある管理栄養士の助言で某社のラクトフェリンを毎日摂っている。価格は安くはないが、これは効果はあるようだ。
何よりも重要なことは、どんな困難なことも前向きになれば、ストレスの方が逃げてくれるはずと今も思ってはいるが……。
すみたに・しげる
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。