済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
「祇園祭」は、1100年以上の歴史と文化を継承する祭りです。日本三大祭りのひとつに数えられ、毎年7月に催されています。平安時代初期の869年、京都を中心に日本各地で疫病が流行したとき、災厄の除去を祈ったことをきっかけに始まりました。当時の国の数66にちなんで66本の鉾(ほこ)を立て、平安京建立の際に造られた「神泉苑(しんせんえん)」という禁苑(天皇のための庭)にスサノオノミコトなど祇園の神様を迎えて祀ったといわれています。平安時代中期からは、空車や田楽や猿楽などが加わり、より大きな賑わいを見せていきました。
また、祇園祭のときだけ販売される御守りが「粽(ちまき)」です。厄病・災難除けの効果があるとされ、京都の民家で飾ってあるのを見かけることができます。
祇園信仰は日本各地で広がり、京都以外でも開催されています。770年以上の歴史を持つ博多祇園山笠や、鎌倉最古の厄除神社・八雲神社の鎌倉大町まつりも祇園祭のひとつです。
大阪天満宮の「天神祭」も、疫病退散を祈るお祭りのひとつです。天満宮は、“学問の神様”菅原道真を祀った神社です。平安時代、都で落雷や疫病の流行などが度重なって起こったとき、人々はこの災難を非業の死を遂げた道真公の怨霊によるものと考えました。その霊を鎮めるために「天満大自在天神」としてお祀りしたのです。政略によって太宰府へ左遷させられた道真公が、生前旅の無事を祈り、お参りしたという大将軍社。死後50年あまりの949年、社の前に一夜にして7本の松が生え、夜ごとにその梢を光らせたと伝えられています。これをお聞きした949年に時の天皇の勅命を受けて建てられたのが大阪天満宮です。
951年には「鉾流(ほこながし)」という神事が始まりました。大阪天満宮の社頭の大川から神が使うヤリのような武器「神鉾(かみほこ)」を流し、流れ着いた御神霊がご休憩される場所に祭場を設け、疫病退散を祈ったのです。これが天神祭の始まりとされています。この鉾流は天神祭の幕開けを告げる神事として、現在でも行なわれています。
2020年は天神祭の神事・本宮祭の様子や悪疫退散祈願祭が動画サイトでライブ配信されていました。実際の神事がどのように行なわれるのか、アーカイブで見ることができます。
東京都荒川区にある素盞雄(スサノオ)神社は、素盞雄大神を祀った神社です。2月下旬から4月上旬の「桃まつり」に合わせて行なわれる祭典「疫神祭(えきじんさい)」は、災厄を祓う祭りとして知られており、神社の創建日である4月8日に行なわれます。
疫神祭では、「朝御饌の儀(あさみけのぎ)」という儀式が行なわれ、白い花をつけた桃の枝で祓をし(四方鎮の儀)、桃の木片を燻した煙と香りで四方を祓い清めます(燻桃)。また、4月1日から8日の期間のみいただける「白桃樹御守(はくとうじゅおまもり)」は、裏面に名前を書き込んで身につけたり、神棚におさめることで、身にふりかかる災厄を祓うご利益があるといわれています。また、旧暦で夏にあたる6月にも、疫病退散や除災招福、郷土繁栄を願う「天王祭」が開かれています。
ちなみに、「祇園祭」の八坂神社は牛頭天王(ごずてんのう)という神様を祀っていました。昔の日本では神道の神・スサノオノミコトと仏教に登場する神・牛頭天王が同一視されていたので、八坂神社と素盞雄神社は同じ神様を祀っていたことになります。
このように、日本で行なわれる祭りには、厄除けや疫病退散を祈ることで始まったものが多く存在しています。当時行なわれていた神事が、現在まで継承されている事例も少なくありません。2020年は祭りとしては中止となったものの、神事は例年通り開催されるものが多くあります。新型コロナウイルスが流行している今だからこそ、本当に必要なのはそのような祈りなのかもしれません。