社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2018.11.01

有村架純 さん

有村架純 さん
1993年、兵庫県出身。2010年、女優デビュー。13年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で人気を博す。大ヒット作『映画 ビリギャル』で、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、新人俳優賞などを受賞。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17)ではヒロインに。主な作品は『思い出のマーニー』『ストロボ・エッジ』『アイアムアヒーロー』『ナラタージュ』『関ケ原』『コーヒーが冷めないうちに』『フォルトゥナの瞳』(19年公開)など。

凛々しい紺の帽子と制服に身を包んだ鉄道の新人運転士を演じる有村架純さん。役に感じる想いと熱中している趣味、そして「原点回帰できる場所」とは。

凛々しい紺の帽子と制服に身を包んだ鉄道の新人運転士を演じる有村架純さん。役に感じる想いと熱中している趣味、そして「原点回帰できる場所」とは。

挫折を味わい、夢を断念するも、再び立ち上がりまっすぐ進む主人公・晶。
「似ているところは、負けず嫌いなところですね」と笑う。
「私はもともと心配性で落ち込み続ける性格。夏休みの終わりはいつも自由研究ができなくて大泣き。でもそのうちできなければ負ける!って火がつくんです(笑)」

演技に納得できないと深く落ち込んで引きずるのはいまも同じ。朝ドラ出演の時は玄関で立ちすくむ足を、「進め」と叩いて乗り越えたことも。だからいま、挫折を感じている人にこそ、この映画を観てもらいたいと言葉を強める。
「あのとき自分に負けなかったから、いまの私がいる。人って弱いようで、弱くない。くじけても立ち上がれる強さは持っているのだから」

家族の絆が作品のテーマ。自身の思い出は「お父さんが休みの日曜日は家族そろって大阪へ行き、食事や買い物をしました。日曜が楽しみでしたね」と懐かし気に。

子どものころは「金八先生」などドラマを夢中で見た。「お芝居って面白いな!」と心躍らせたのが出発点だ。女優デビューから8年経った25歳。本作で初の母親役を演じ、役柄の幅を広げた。「女優とは、観る人に夢を見てもらう仕事」と、穏やかで優しい語り口の中に強い意志をのぞかせる。

リラックスタイムはネットで洋服を見たり、面白い小説を探したり。最近は茶道のお稽古にもいそしんでいるとか。
「日本特有である和の精神、そして所作を学べるところが茶道の魅力。美しい所作は、女性として身に着けておきたい、大事なことだと思うんです。茶道をする時間は私にとって心とぎすまされる、大切な時間です」

好きな場所を聞くと、ふっと考えてから「20歳のころに行ったフィンランドやノルウェー」。それはなぜ?
「自分に嫌気がさして悩んでいた当時、ロケで行った現地でオーロラを見て。眺めているうちに、私は恵まれていると感謝できて、原点回帰できたんです。4年後の『ひよっこ』終了後もリセットを兼ねて行きましたが、もう感慨深くて……。北欧は人も優しいし家具のデザインも好き。また、好きなことを見つけに行きたいですね」と笑みを見せた。

文:浜口恵美子 写真:吉川信之 (機関誌「済生」2018年10月)
スタイリスト:瀬川結美子
ヘアメイク:尾曲いずみ
衣裳協力:アイランド ショールーム
TEL03-5728-3633
ブラウス/グレースコンチネンタル
パンツ/DIAGRAM

このアイコンがついている写真はクリックすると拡大できます

映画『かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―』

映画『かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―』
©2018「かぞくいろ」製作委員会

人生を鉄道になぞらえて描く映画『RAILWAYS』シリーズの最新作。鹿児島県〜熊本県を結ぶ、肥薩おれんじ鉄道を舞台に、愛する人を失った”ふぞろい”な3人の家族の再出発を描く。
夫を突然亡くした晶は、血のつながらない息子の母として、そして運転士になるため、まっすぐに生きようとする。義父の節夫は、そんな晶の姿に、これまでの人生で見出せなかった大切なことに気付いていく―――。

●監督・脚本:吉田康弘
●出演:有村架純、國村隼、桜庭ななみ、歸山竜成、板尾創路、青木崇高
2018年11月30日(金)より全国ロードショー

 

有村架純 さん