済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
元日を挟んで東京の夜空は、たくさんの星が輝いていた。大気が澄み切り、夜間照明が少ないためだろう。オリオン座、おおいぬ座、おうし座など多くの星座を肉眼で確認できた。
小さいころからおおいぬ座のシリウスが好きだった。恒星のなかで最も明るく、青白く輝く星は、冬の夜空で容易に見つかる。視界の悪い時でもシリウスだけは、じっとして輝いている。まさに孤高の星である。
日課の1時間弱の夜のウオーキング後のストレッチは、遥(はる)か南の空のシリウスを見ながら行なう。現在見ている光は、7年前にシリウスが発したものだと思うと、人間の存在がちっぽけなものに思えてくる。
休日の夜に散歩をすることがある。世田谷区の裏通りに入ると、迷路状態になる。一方通行のところも多い。ナビが普及していなかったころは、道に精通していない人が、車を運転して迷い込んで脱出できなくて焦ってしまう。
私も足の赴くまま歩いていくと、迷子になる。でも冬であれば、空を仰げば、シリウスがいつも方向を示してくれる。
宿泊の伴う出張するときは、夜間に散歩をしながら空を眺める。東京と違って地方の方が、たくさんの星を観察できるのは楽しい。
28年前、小泉純一郎厚生大臣(当時)のモンゴル公式訪問に随行してウランバートルに出張した。モンゴル政府は、大臣一行の宿舎に迎賓館を提供してくれた。
用務が終わり、迎賓館で空を見上げると、満天の星には驚かされた。日本で見たことがない無数の星である。ずっと仰向けに見ていても飽きない。
遠くで狼の遠吠(ぼ)えが聞こえてきた。一頭が鳴くと呼応して他の狼が鳴く。その声は、静かな荒野に響き渡った。「モンゴルにいるのだ」と実感させられた。
毎年7月下旬、総評副議長や合化労連委員長を務めた立花銀三さんが、家族を房総半島先端の江見の民宿に誘ってくれた。
夜になると、立花さん夫妻とともに散歩に出かけた。「蛍が飛んでいるから」と小学生になる私の息子を楽しませたかったのだろう。たくさんの蛍が草むらに飛びかっていたが、私は東京では見られない夜空の星に目を奪われた。
立花さんとの交流は、亡くなるまで続いたが、立花さんの思い出と江見の夜空の星がいつも重なりあう。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。