済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
日曜日の昼前、のんびりと家でEテレの将棋対局番組を見るのが好きだ。
「これはうっかりしましたね。敗着です」と、解説者がプロ棋士の指した悪手を評する。プロでも間違う。一手のミスが分かれ道、勝負はつく。プロの棋戦でも二歩で反則負けすることがある。
プロ野球の試合でも失策は、起こる。どんなに好投しても、失策で負けることがある。贔屓(ひいき)のチームが伝染したように失策プレーが続くと、「何をやっているのだ」とテレビ画面に向かって怒鳴っている。
プロでもうっかりミスから逃れられない。私は、昔からうっかりミスが多い。
最近も郷里の富山県高岡に行くため、北陸新幹線に乗ったとき、買い求めたお土産の菓子折りを網棚に乗せた。普段は持ち慣れない荷物なので、降りるときに置き忘れてしまった。
こんなこともあった。贈り物への礼状を書こうと思って、机の引き出しを探すと、都合のよいことに未使用の葉書1枚があった。さっと書いて出した。すっきりした気分になった。投函した後、「あれは52円の古い葉書だった」と思い出したが、後の祭り。相手に悪いことをした。
うっかりミスを防ぐため、いろいろと対策を試みている。
ミスは、あわてているときに起こりやすい。ホテルで急いでチェックアウトすると、部屋の衣文掛けに前日着たワイシャツを忘れる。
年を取ると、十分余裕を見て行動しているが、突発的に行動しなければならないときもある。
同時に二つのことをやろうとすると、ミスが生じる。お湯をガスレンジで沸かしているとき、玄関に客が来て応対していると、お湯を沸かしていることを忘れてしまう。やかんが沸騰する音を聞いてはっとする。まず一つのことに集中しようと心がけている。
ミスをしない最善の方法は、何もしないことである。これが無理なら冒険をしないことかも知れない。
公務員時代は、この類の方がかなりいた。新規事業を提案すると、問題点を次々に指摘する。この面では天才的だ。失敗すると、「だから止めろと言っただろう」というセリフを何度聞かされたことか。
「失敗は成功の母」である。「失敗は人にあり、寛恕(かんじょ)は神にあり」という。こんな諺に慰められながら、これからもうっかりミスを重ねていく。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。