済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
昨年の暮れ、花屋を営む親戚が、胡蝶蘭(こちょうらん)を送ってくれた。
胡蝶蘭と言えば、白い花が定番だ。政治家の当選祝いに白い花の胡蝶蘭が使われる。白い花びらの高価な胡蝶蘭が、政治家の事務所に所狭しとばかりに並べられる。勝利の喜びの高揚感をいっそう高める。
今回、送られてきた胡蝶蘭は、薄緑色の花で、テーブルに置ける30センチほどの小さなものだ。白い胡蝶蘭の豪華さはないが、清楚(せいそ)な美しさが伝わってくる。
緑色の花の植物は、少ない。椅子に座って静かに眺めていると、ゆったりとした気持ちになり、心が落ち着く。木の葉を見ると、同様な気持ちになるが、緑にはこのような効果があるようだ。緑の花も捨てたものではない。
白いスイセンであっても、赤いガーベラであってもよい。心配事があったり、イライラしたりするときは、いつも5分くらい花を見る。ぼんやりと美しい花を見ると、平常心に戻ってくる。時には近くの公園に出かけ、バラ園で深紅の花に接すると、気分が一新する。
夜のウオーキングを10年以上欠かさない。最近では6キロと段々と長くなってきた。夜のウオーキングには、夜空の星を見る楽しみがある。
都心の空は、夜になっても明るく、星は見にくい。そのうえ近視の私に見える星は限られるが、冬になると見える星の数がぐっと増える。
冬の星の中心は、何といってもおおいぬ座のシリウスである。夜空で最も明るく輝く星である。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンとともに冬の大三角形を形成し、冬の夜空をにぎやかにする。
私は、星の中でも青い光を放つこのシリウスが最も好きだ。他の星が見えなくてもシリウスだけは輝いてくれる。孤高の姿は、神々しい。シリウスを遠くに見上げながら歩くと、気分はさらに爽やかになる。
古来、日本ではシリウスが青星、さそり座のアンタレスが赤星と対照して呼ばれ、親しまれてきた。夏の夜空に赤く輝くアンタレスも好きだが、赤色の星は、ベテルギウスと同じように残された命が短いと思うと哀れに感じてしまう。
自然の中の色彩が私の心を揺さぶるのは、原始の時代から自然の中で生きてきた人類の証しが、DNAに組み込まれているからだろうか。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。