済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
9月中旬にベトナム・ダナン市に出張した。3泊(1泊は機中泊)4日と短かったが、4年ぶりの海外である。
新型コロナ関係の規制のほとんどが解除されたので、この分助かった。
海外旅行の準備で悩むのは、携帯荷物である。出発の2日前から着替え、洗面道具、常備薬など必要なものをかばんに入れていく。短い旅でも「これも必要」と入れていくと、相当の量になってしまう。
機内に預ける大きいスーツケースであれば、余裕がある。しかし、今回は機内持ち込みだけとし、荷物を絞り込んだ。それでもかばんは、大きく膨らんだ。
今の私の身体は、腕の筋肉が萎え、体幹がしっかりしない。重い荷物を持って長距離を歩くと、左右に揺れる。階段も心配になる。荷物をできるだけ軽くしようとしたが、二つのかばんの合計が10キロを超えた。原因は、資料と本だ。
両手に重いかばんを持ち、よろめきながら歩く。ただ、かばんを持って歩かねばならないところは、わずかで、転倒することはなかった。
海外旅行での失敗や事故は、必ず起きる。中でも荷物に関することが多い。
35年ほど前、日本からアメリカの国際空港(名前は忘れてしまった)乗り換えでアトランティックシティ空港に向かったとき、機内預かりのかばんが出てこない。他の飛行機に乗せられてしまった。
航空会社のデスクで滞在ホテルを伝え、届けてもらう手配をした。航空会社は、サバイバルキットと称した洗面用具の入った小さな袋をくれた。
翌日の夜にかばんは損傷されることなく、届けられたが、初めての土地で大変不自由した。この時の経験から当座必要な物は、機内持ち込みにするようにした。
40年ほど前、ロンドンで勤務していたころヒースロー空港で機内に預けたスーツケースの鍵が壊され、中の貴重品が盗まれる事件が頻発した。日本人のスーツケースが狙われやすいと在留邦人の間で話題になった。
私もこの被害に1度あった。スイスからの家族旅行の帰り、ヒースロー空港でスーツケースの鍵が壊されて出てきた。中には着替えた下着類などしかなく、なにも盗まれなかった。スイス航空に申告すると、スーツケースの修理費等きちんと補償してくれた。
海外旅行は、どんなに回数を重ねても、失敗の連続である。最近はデジタル処理が多くなったので、一層戸惑う。
重い荷物に翻弄されながらも、それでも海外旅行で学ぶことは尽きない。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。