済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
65歳の時、体重を63キロから現在の53.5キロに健康のために一挙に減らした。10キロという大幅な体重減だった。以前のふっくらした顔の写真とは別人のようになった。
最初の一月は、お腹が空いて元気が出ず、仕事に身が入らなかった。でも慣れてくると小食でも満足できるようになった。
それから12年間、食事と運動に気を付けてこの体重を維持している。
中年を過ぎた人からは、「最近腰が痛い」「膝に人工関節を入れた」など足腰に関する悩みをよく訴えられる。中年になって体重が増えたのが、原因の一つだ。若いころに形成された足腰の強度では耐えられない。建物の基礎工事を強化しないで、上に建て増したのと同じだ。
2キロ程度の小さな増加であっても、起きている間はずっと足腰に負担を与える。500㏄のお茶のペットボトル4本を持って1時間も歩くと、大変疲れる。これが常に体に付いているかと思うと、足腰が悪くなるのも頷(うなず)ける。
大幅な体重減によって足腰の問題は生じていない。体重減によって脂肪がなくなり、体脂肪率は、7.5%とプロのサッカー選手並みだ。最近新聞で体内脂肪が多いと認知症のリスクが高まるという記事を読み、体重減の努力が報われるかと思った。
しかし、脂肪が少ないと自慢しても、筋肉量も少ない。筋肉量を増加させるトレーニングをしてこなかったためだ。毎夜1時間、猛スピードで歩いているから足の筋肉はともかく、上半身は貧弱である。高齢になると、筋肉がないとADL(日常生活動作)に問題が生じると言われ、心配になる。
スポーツジムに行く元気がない。家で腕立て伏せや腹筋運動をやるのも億劫(おっくう)だ。そこで日常生活の中で上半身を鍛えるというお手軽な方法を取ることにした。常時、鞄(かばん)に本などを入れて5キロ以上の重さにして持ち運ぶ。物をたくさん入れると、安物の鞄は、すぐに壊れてしまうが、お構いなしだ。
筋肉は衰えやすい。病床で4週間寝ていた高齢の母は、病気は治ったが、車いす生活になった。一方で筋肉は、高齢になっても鍛えれば増加する。
私の小さな試みも年数を重ねると、効果を実感する。少しずつ腕の太さが増してきた。何事も「継続は力なり」だ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。