済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
8月のお盆を中心に10日間休暇を取った。長期の休暇を取ったのは久しぶりだ。この期間に部屋の大掃除をやりたかったからだ。
国家公務員在職中は、ずっと公務員住宅に住んでいたが、退職したときに近くに新築された狭いマンションを購入した。
退官してからも結構忙しかった。各地から講義や講演に招いていただいたので、週末あまり休みがなかった。疲れて家に着くと、片付ける気力がない。本や資料は、無造作に普段は使わない部屋に押し込んでいった。
家族も私に倣って使わなくなった衣類や食器などをこの部屋に入れていった。入居して17年間、いつの間にかたくさんの物が積み重なり、部屋いっぱいになった。
とうとう限界状態に達した。部屋の片付けに取り掛かる一大決心をしたというわけだ。
当初は、2日あれば十分だと思っていたが、まったく甘かった。膨大な数の本は、本箱や段ボール箱に手当たり次第に納めていった。
厄介だったのは、紙袋に納めた資料だ。研究会での配布資料、訪問先の資料など思い出深いものだ。再度入手は困難である。仕事に役立つと思うと捨てられない。数百の袋を前に呆然(ぼうぜん)とするだけだ。「これは必要」と吟味しだすと、整理がつかない。ほとんどを段ボール箱にしまったので、全体量が減らせなかった。
作業を進めていると、昔の写真が次々に出てきた。17年前は若かった。髪が豊かでふっくらしていた。当時は体重65キロと平均的な体格だった。見た目にも健康そうである。
未使用のカセットボンベ9本がカセットコンロと一緒に出てきたのには驚いた。製造日は、東日本大震災が発生したころだから、テレビで震災時に必要と挙げられたからだろうか。
先日川崎市のマンションでカセットボンベが爆発したという大事故があった。こんな物騒な物を12年も置いてあったものだ。
処理方法を区のホームページで調べると、製造会社に照会と書いてある。ボンベに記載された電話番号にかけたが、会社はなくなったのか、不通だった。ネットでガスの抜き方を説明した動画があったので、これに従って近くの公園で無事ガスを放出できた。
部屋の片付けは、休暇中には終わらなかった。17年間に積み重ねられた物の山を見て、時間の長さをしみじみと感じた。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。