済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
小さいころから天文学が好きだった。中学時代に、独自に工夫して製作した月の運行模型を科学作品コンクールに出品し、入賞した。
今の時期であれば、シリウス、カペラ、プロキオンなどの一等星が輝く。一年で一番夜空が美しい時期だ。果てしない夜空を眺めていると、日常の煩わしさから解放される。近視の治療になるという俗説があるが、私の経験からは疑わしい。
この夜空の彼方から重力波が出ていることが、最近アメリカの科学者によって観測された。100年前アインシュタインが予言したことが実証された。凡人には理解困難だが、やはりアインシュタインは、すごかった。歴史上存在した天才中の天才である。天才ゆえの様々な日常の奇行も記録に残されている。
三島由紀夫は、日本文学史上の天才である。「金閣寺」、「仮面の告白」などの名作の表現力は、驚嘆するだけだ。頭脳に国語辞典が何冊詰まっているのかと思ってしまう。
三島由紀夫が東大法学部在学中に團藤重光の刑事訴訟法の講義に感銘したことは、有名な逸話である。刑事訴訟法の論理の緻密性に魅かれた。彼の美学に合致した。
90歳を過ぎた晩年の團藤先生と話す機会があった。これを話題にすると、にっこりと笑みを浮かべられるだけだった。先生のインタビューをまとめた「反骨のコツ」(朝日新聞社)によると、「仮面の告白」は刑事訴訟法理論を文学表現したものだと、先生は述べている。もし三島が刑法も熱心に勉強したら、彼の人生の結末は違ったのではないかと、興味ある発言もしている。
三島が形式美に傾倒し、理屈だけでは割り切れない社会のドロドロした実態に関心を持たなかったことを言いたかったのだろう。
昨年11月、東京都立多磨霊園にある三島由紀夫の墓を訪ねた。寒風が吹き抜けていた。没後45年に当たる月だったので、若い三島ファンの2人連れの女性が訪ねていた。
天才は、自分の形成した緻密な論理の世界で思考する。それゆえに独創的な業績を残す。ともすれば天才の世界は社会から理解されず、行動は世間の常識から離れる。
アインシュタインも三島由紀夫もそうだったのだろう。しかし、そのような人物が、それぞれ科学や文学の分野で歴史を動かしてきたのだ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。