済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
9月下旬、5泊6日でオランダに出張した。その旅先で体調に異変を感じた。
8月末から仕事がいっぱい詰まっていた。国内出張が週に2回はあった。
そのうえ、海外に出る前に依頼されていた数本の原稿を書き終えなければならなかった。いずれも定期刊行物の原稿だったから、締め切りを厳守しなければと追いつめられた。
大半の人は、パソコン持参で出張して仕事をする。私は、原稿を執筆するときに大量の資料や本が必要だから、旅先では書けない。
旅行中の電車やホテルでは参考になる本などを読む。これは結構楽しい時間の過ごし方である。
このようにしてオランダ出張前にすべての仕事を処理し、爽やかな気分で成田を飛び立ったはずである。
実は、出発前から「ちょっと調子がおかしいな」とは思った。
出発3日前、鹿児島市で開催された済生会病院長会に出席した。冷房が低すぎるのではと思ったが、他の人はそう感じていない。右わき腹に時々ピリッとした痛みが生じる。肋間神経痛のようだ。
オランダでの仕事は、順調だった。時々右わき腹が痛んだが、支障はなかった。でも滞在の終盤、入浴後、胸に赤い発疹が並んでいるのに驚いた。典型的な帯状疱疹だ。
帰宅後、すぐに近所の診療所に駆け込んだ。
帯状疱疹の大きな原因は、ストレスや過労である。それほどストレスが、大きいとは感じていなかった。抱えているストレス量を自分で判断することは難しい。
以前は過労のときには口内炎になった。私にとって貴重なシグナルだった。
現在は飛行機が離着陸するとき、気圧の変化で起きる耳の異常だ。体調の悪いときは耳の異常が、長時間続く。そういえば鹿児島空港から羽田空港に着陸したときもそうだった。
ストレスや過労は、いつの間にか忍び込んでくる。気が付くのは、病気になってからだ。
ストレスに強く、疲れにくい体を作りたいと考えるが、実現しない。せめて過労になったときのシグナルをつかみ、病気になる前に十分休養を取りたいものだ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。