済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
健康のためにアルコールを断って、今月、10年目に入った。
40年以上、ストレス解消のため(名目だったか?)、毎晩飲んでいた。夜の付き合いも週の半分以上はあった。大変楽しく、仕事に役立った。
しかし、還暦を過ぎたころから健康に自信がなくなった。父は下戸だったし、兄は67歳で肝臓がんで亡くなったので、かねてから私のDNAは、アルコールに弱いと思っていた。そこで65歳の誕生日を期して完全に止めた。
適正飲酒であれば、むしろ健康に良いらしいが、一滴でも飲むと堰(せき)を切ったように元に戻るのが怖かったので、乾杯の際も飲まなかった。
代わってノンアルコールビールが救いの神だ。宴席でも不自由しない。最近の日本のノンアルコールビールの質は、著しく向上した。きっと世界でトップだろう。
4年前、ビールの本場ドイツでノンアルコールビールを飲んだが、日本の方が上だった。
途上国では現地産のノンアルコールビールをなかなか見つけられない。社会の発展に比例してアルコール度数の低いものが好まれるという法則が、私の仮説だ。
アルコールを止めると、ストレスの解消をどうするかという新たな問題に直面した。以前は飲酒が、最も簡単で唯一の方法だった。
代わって登場したのは、早歩きだ。飲酒を止めると、夕食後たっぷりと余裕ができた。これをウォーキングに当てた。
毎晩9時ごろから5.5キロを1時間で歩く。かなりの速さだと思っているが、若い人は、どんどん追い越していく。
何も考えず、周りを見ながら黙々と歩く。今は夜空に冬の大三角形が美しく輝く。とりわけシリウスが好きだ。恒星で最も明るく、冬空での存在感は大きい。
オリオン座のベテルギウスは、段々と暗くなっている。近く超新星爆発を起こして消滅するといわれる。哀れに思えてくるが、それは遙(はる)か先のことだろう。
星空の悠久の時と無限の広さに比べると、私たちの日々の出来事などは、ちっぽけなものだ。夜空の下でのウォーキングで健康的な汗を流すと、ストレスも消えていく。
私のストレス解消法は、上品に進化したものだ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。