済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
昨年12月から1月中旬の間に落とし物や忘れ物の連続だった。メガネ、JRのSuica、万歩計、がまぐちと4回も続いた。
慎重な性格なので、忘れ物や落とし物をすることは、少なかったはずだが、この1月は、何かにとり憑(つ)かれたようだった。
高校時代から近視用のメガネをかけてきたが、65歳を過ぎたころ老眼のためか、普段はメガネが不要になった。しかし、会議で遠方のパワーポイントを読むときは、メガネが必要なので、携帯する。
昨年12月ごろから名古屋市、横浜市、国立市、墨田区などでの会議に出席した。そのいずれかで置き忘れたと考え、次々に問い合わせたが、「該当なし」の返事。新幹線の車中かとも思ったが、無駄だろうと諦めた。
Suicaの方は、済生会の車の床に落ちていた。万歩計の方は、自宅の部屋の片隅で見つかった。
がまぐちは、タクシーの中で落としてしまった。下車後間もなく気がついた。少々のお金のほかに電子マネーのカードが2枚入っていた。領収書を受け取っていたので、焦りながらタクシー会社に電話をした。
ところが返事が冷たいではないか。「現在車は、営業中だから、帰社後に確認して返事します」。これでは「後に乗った客に取られるではないか」と訴えても、連絡できないとの一点張り。
幸い運転手が保管していたので、無事に戻ってきた。妻は、がまぐちは高齢の女性しか使わないから、後に乗った乗客が「おばちゃんが悲しんでいるだろう」と同情して、運転手に渡してくれたに違いないと言う。
結局、メガネ以外は、戻ってきた。それにしてもなぜこんなに失態が続いたのだろうか。
1月下旬、定期的な診察を受けた。妻がいつも私の健康状態を把握するため同行する。主治医は、データを見て「最近どうしたのですか」と驚いたように言う。ここ10年間なかった最悪の結果だった。
そういえば、そのころストレスのため、深夜2時ごろに目が覚めた。1時間くらいはそのまま考え込んで眠れない毎日だった。それがじわりと体を脅かし、注意力が散漫になったのだ。私も妻も納得だった。
医師は、できるだけリラックスするようにとアドバイスしてくれた。それ以降、落とし物や忘れ物は止まった。
やはりストレスは、怖いものだ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。