済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2月初め、6日ばかり風邪をこじらせて家で寝ていた。身体を動かすのは食事やトイレのときくらい。食欲がなく、おかゆとリンゴ程度ですませた。人生で初めての経験だった。
1週間経って外出すると、身体がふらつき、まっすぐ歩けない。足に力が入らない。脚の筋肉がやせ細ったとはっきり分かる。
これは廃用性症候群ではないか、生前の母を思い出した。90歳を過ぎた母が体調を崩して1カ月間入院し、退院したときには歩行困難だった。病気は治ったが、寝たきりになってしまった。寝たままだと筋肉が衰えてしまうのだと思い知らされた。
私は筋肉を取り戻すために、スクワットをゆっくりと始めた。慣れないことで、20回過ぎると腰や太ももが痛くなった。少し休んで再開。50回行なった。夕方も50回行なった。このときは最初から太ももに痛みが残っていたが、無視した。
翌朝は太ももやふくらはぎに痛みがあったが、やはり50回、夕方50回を強行した。1週間経つと効果をはっきりと実感した。足元がしっかりし、ふらつかなくなった。筋肉も復活したのだ。
100歳を迎えた村山富市元総理大臣の近況を新聞で読んだ。15年くらい前に大分県でのシンポジウムで同席したことがある。シンポジウム終了後はレストランでフランス料理をご一緒した。経験に裏付けられた高い識見や高潔な人格に感銘を受けた。
当時もお元気だったが、現在も散歩やスクワットを欠かさないという。これで筋肉を鍛えておられるのだろう。
筋肉は、お金と違って、使っても減らず、逆に増えていく。私もスクワットを今も朝夕50回ずつ続けている。
頭脳も廃用性症候群に陥るらしい。昔は夜空を見れば、88の星座名はスラスラ言えた。今はゆっくりと考えないと出てこない。
そこで記憶力も毎日鍛えている。約1700の市町村の名前や場所、名所などを覚える。新しく登場した名前も多く、苦労している。1万以上の英語表現の暗記にも挑戦している。こんなことを毎日繰り返していると、頭脳も成長してくれるかも。
何事も使わないと衰える。隙間時間を見つけては筋肉と頭脳をせっせと鍛えている。この努力が決して無駄にはならないと信じながら。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。