済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
国による都道府県を越えた移動の自粛要請が解除された6月19日、富山県高岡市に日帰りで行った。
心配した北陸新幹線は、同じ車両には3、4人の乗客で、密な状態ではなかった。東京駅から新高岡駅までの3時間は、これまで長いとは感じたことはない。
東京で大学時代を送った私は、1年に1度は、実家のあった高岡に帰った。お金がなくて時間だけがたっぷりあったので、12時間かけて各駅停車の鈍行を使ったから3時間は、本当に短い。
今回は、この3時間が長かった。見慣れた車窓の風景は、異国の田園風景を見ているようだった。違った国を旅しているかのように……。
続いて6日後、山口県へ出張した。4カ月ぶりの飛行機による長距離出張になる。
久方ぶりの飛行機は、コロナの感染を心配しつつ、精神的に異様なものを感じた。数年前は4年間、1月に1回は降り立った山口宇部空港を出たときは、全く知らない土地に来たような錯覚を覚えた。北陸新幹線で味わった感覚と同じだ。
なぜだろうか? コロナが別の時代へと動かしたのではないか。
元日の朝、大晦日から数時間しか経たないのに新鮮な気持ちが、体内を巡る。新しいことが始まるのではないかと期待はする。しかし、テレビでつまらない正月番組を見ているうちにそのような気持ちは、霧散する。これを毎年繰り返してきた。
1週間の海外旅行から戻ったとき、見慣れた東京の風景が新鮮に見える。1週間の短い期間も1月以上の長さに感じる。でも再び忙しい日常生活に戻ってしまうと、1日で帰国時に感じた新鮮さは、頭の片隅にも残っていない。
今回も同様にいつの間にか、コロナ発生前の状況に戻っていくのだろうか。経済のV字回復が期待されている。
私は、違うのではないかと思う。コロナは、私たちの社会、経済、生活、文化を変革している。明治維新や終戦のときと同じような時代の区切りに立っている。私たちは、新しい時代を迎えている。
時代は、動いている。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。