済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
神戸市にある特別養護老人ホーム「ふじの里」に入居されている97歳のおばあちゃんのお話です。
平成20年8月から当施設のデイサービスを利用され、平成23年4月から当施設で暮らされていたのですが、12月に入ってから体調が思わしくなくなりました。医師の診察を受けて、ご家族の方と相談。延命的な治療はやめて安らかに看取ろうと、個室に移ってもらい、ターミナルケアに入りました。呼びかけへの反応が、8日の夜を最後になくなりました。
音楽がとても好きなおばあちゃんだったので、居室にキーボードを設置しました。10日午前中にはピアノが得意なお嫁さんが来て、「早春賦」を弾いてくださいました。おばあちゃんがとても好きな歌で、昔、何度もリクエストしたそうです。そんな思い出を、お嫁さんがベッドのわきで聞かせてくださいました。
20日には当施設でもクリスマス会が予定されています。でも、それまで待てないかもしれません。10日夕、一緒に過ごされていた入居者の方3人と職員15人でベッドを囲み、みんなで「きよしこのよる」を歌いました。伴奏も急きょ職員がかってでました。大きな声で2度、斉唱しました。
声掛けに反応が無く、表情の変化も乏しくなっていたのですが、歌の最中に口をパクパクと動かしていました。元々、耳が良く、耳元で大声を出して話すと、うるさいと叱られました。「早春賦」も「きよしこのよる」も、きっと、聞こえていたのでしょうね。元気なころの姿と重なり、涙が止まりませんでした。
入居者の皆さんと大勢の職員が囲んで
翌11日午後3時ごろ、おばあちゃんはご家族に囲まれて亡くなりました。職員も後ろの方で手を合わせました。
本当にささやかなクリスマスプレゼント、少し早かったけれど、間に合ったかな。
特養ふじの里担当介護士:楠本 真智子