社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2013.12.13

少し早いクリスマス・キャロルをおばあちゃんに

神戸市にある特別養護老人ホーム「ふじの里」に入居されている97歳のおばあちゃんのお話です。

平成20年8月から当施設のデイサービスを利用され、平成23年4月から当施設で暮らされていたのですが、12月に入ってから体調が思わしくなくなりました。医師の診察を受けて、ご家族の方と相談。延命的な治療はやめて安らかに看取ろうと、個室に移ってもらい、ターミナルケアに入りました。呼びかけへの反応が、8日の夜を最後になくなりました。

音楽がとても好きなおばあちゃんだったので、居室にキーボードを設置しました。10日午前中にはピアノが得意なお嫁さんが来て、「早春賦」を弾いてくださいました。おばあちゃんがとても好きな歌で、昔、何度もリクエストしたそうです。そんな思い出を、お嫁さんがベッドのわきで聞かせてくださいました。

20日には当施設でもクリスマス会が予定されています。でも、それまで待てないかもしれません。10日夕、一緒に過ごされていた入居者の方3人と職員15人でベッドを囲み、みんなで「きよしこのよる」を歌いました。伴奏も急きょ職員がかってでました。大きな声で2度、斉唱しました。
声掛けに反応が無く、表情の変化も乏しくなっていたのですが、歌の最中に口をパクパクと動かしていました。元々、耳が良く、耳元で大声を出して話すと、うるさいと叱られました。「早春賦」も「きよしこのよる」も、きっと、聞こえていたのでしょうね。元気なころの姿と重なり、涙が止まりませんでした。

入居者の皆さんと大勢の職員が囲んで
入居者の皆さんと大勢の職員が囲んで

 翌11日午後3時ごろ、おばあちゃんはご家族に囲まれて亡くなりました。職員も後ろの方で手を合わせました。
本当にささやかなクリスマスプレゼント、少し早かったけれど、間に合ったかな。

特養ふじの里担当介護士:楠本 真智子

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