済生会陸前高田診療所が創立10周年記念演奏会

挨拶する伊東所長(右)
柴山門下生らの熱演で会場が歓声と感動に包まれた

　済生会陸前高田診療所創立10周年記念演奏会が6月15日に、〈岩手〉陸前高田市民会館で開かれました。開設10年を迎え、同診療所の伊東紘一所長が改めて東日本大震災で被災した陸前高田市民の心を慰めることを目的に企画したもので、地域住民など約600人が参加しました。

　開会式では済生会本部の炭谷茂理事長、岩手県済生会の高橋敏彦支部長、陸前高田市長の佐々木拓氏らが挨拶。被災者・患者を代表して登壇した米谷春夫氏は「多くの住民が伊東先生に命を救われ命を長らえさせていただいている」と謝意を表しました。

　その後に行なわれた演奏会では、第一部に昭和音楽大学の柴山昌宣教授がソプラノ歌手・柴山晴美氏とピアニスト・伊東美優氏とともに『心に残るイタリアの歌、日本の歌』と題し9曲を聴かせました。第2部はモーツァルトの「魔笛」を柴山門下生約30人が披露しました。

　参加した市民からは「声量がすごくて驚いた」「とても楽しかった。貴重な時間を過ごした」などと話していました。伊東所長は「これからも市民のための診療所としての役割を果たしていきたい」と抱負を語りました。

　陸前高田診療所は2015年10月に同市竹駒地区にスーパー倉庫を改修した仮設診療所をオープン、17年2月に同市気仙町に本設の診療所を開設しました。金曜日の整形外科には山形県や関東の済生会病院などから医師が交代で派遣されます。診療所の登録患者数は1万1200人で、延べ受診者数は13万5000人に達しています。

済生会本部広報課長　河内淳史