社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)
2020.06.12

第5回 人の役に立つウイルスっているの?

新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザウイルスなど、よく聞くウイルスは人間に害を及ぼすものばかり。でも、たくさんのウイルスの中には、人間や植物によい働きをしてくれるものもいるんです! 今回はウイルスの種類やその多さ、ウイルスを使った最新の治療法までご紹介します。

世界にはどれくらいウイルスがいるの?

とても数えきれません! 推定で1031個もいるといわれています。1の後に0が31個も並ぶ……気が遠くなりますね。地球上の海岸にある砂粒の数を全部数えても約6×1023個といわれているので、それよりもずっと多いということです。
そして、種類の多さはざっと3000以上 。人や動物に感染するウイルスだけでなく、植物に感染するものや無害なもの、細菌に感染するバクテリオファージといった種類もあります。

そんなに種類が多いなら、役に立つウイルスもいるのかな?

もちろんいます。植物の干ばつ耐性や凍結耐性を高めてくれるウイルスや、直接身体によい働きをしてくれるわけではありませんが、あるウイルスは免疫力を高めるのに一役買っているのではないか、という研究結果があります。ほかにも医療の現場では、ウイルスを使って病気を治す「ウイルス療法」も研究されています。

「ウイルス療法」ってどういう治療法なの?

文字通りウイルスで病気を治す治療法です。遺伝子工学で作られた特別なウイルスを使って、病気の元となる細胞を破壊します。例えば、がん細胞だけに感染するウイルスを作り出して患者さんに投与すると、ウイルスは正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを破壊してくれるのです。日本でも実用化に向けて、東京大学医科学研究所や製薬会社で研究が進んでいるところです。

なぜもっと役に立つウイルスが見つからないの?

ウイルスはまだまだ分からないことだらけ。ウイルスの種類がものすごく多いことと、宿主の細胞を破壊して増えるというウイルスの性質を考えると、そもそもウイルスは人の役に立ちづらいといえるかもしれません。でもウイルス療法のように、その性質を逆手にとった病気の治療法も研究されています。これから研究がさらに進めば、もっと役に立つウイルスが見つかるかもしれません。

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