細胞や臓器の正常な働きが邪魔されてしまうからです。ウイルスは宿主の細胞に勝手に入り込み、細胞内の素材を使って増殖します。そうして増えたウイルスは、細胞の外に出るとき、細胞そのものを壊してしまうのです。こうして体の維持に必要な細胞が壊されてしまうと、具合が悪くなってしまうというわけです。
『免疫』が働くからです。免疫とは、体を守る防御システムのこと。体の中に入ってきたウイルスやばい菌は、免疫が働くことで、徐々に数を減らしていきます。
ちなみに風邪をひくとよく熱が出ますが、これは免疫の働きをより高めるために、脳が指令を出して体温を上げているのです。
自然免疫と獲得免疫の2種類があります。免疫のシステムはよく防衛軍や警察に例えられたりします。「ウイルスがいる!」と、細胞から“オペレーター”が通報を受けたら、まずは“お巡りさん”が出動して、ウイルスを退治します。これが自然免疫です。
また、“オペレーター”は『抗体』と呼ばれるウイルスの指名手配書を作るよう、“刑事部”にお願いします。指名手配書があると、より効率的にウイルスを倒すことができるようになるのです。これは獲得免疫と呼ばれています。もしまた同じウイルスが入ってきても、指名手配されているから、すぐに退治できるのです。
ワクチンがあれば可能です。ワクチンを注射すると、病気にならずに指名手配書(=抗体)を作ることができます。しかも、一度注射すれば、長い期間指名手配してくれる優れもの。でもインフルエンザなどのウイルスは、毎年ウイルスの顔(性質)が変わるため、定期的に予防接種が必要になります。早く新型コロナウイルスのワクチンもできたらいいですね。