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2013.08.16
手足口病は38~39℃の発熱に伴い、手のひらや足、口の粘膜などを中心に5~7mmの小さな水疱(水ぶくれ)ができる病気です。2~3歳の子どもに多い病気で、幼稚園や保育園で”夏風邪”として流行することも少なくありません。
手足口病の原因は、「エンテロウイルス」の感染によるものです。このウイルスには、エンテロウイルス71型、コクサッキーA6型などいくつかのタイプがあり、その年によって流行する型は異なります。
患者さんの唾液や便には原因ウイルスが含まれており、それが他の患者さんの口から入ることで感染します。感染力は比較的強く、ウイルスの付着した食べ物などを介してうつることもあります。
子どもが手足口病と診断された場合は、熱が下がるまで幼稚園や保育園、学校は休ませましょう。ウイルスを殺す薬はないので、家で安静にすることが治療の基本。1週間ほどで熱も水疱もひくケースがほとんどです。ただし、その後も1カ月ほどは便中にウイルスが入っているので、他の子どもたちにうつさないよう、手洗いなどを心がけましょう。
口の中に水疱ができると痛くて水が飲みにくくなるため、手足口病の子どもを看病する際は脱水症状に注意します。少量ずつでよいので、大体10分くらいごとに水を飲ませてあげましょう。のどの痛みがひどくて何も食べられなくなったり、グッタリとした様子になったりしたら、再度病院で受診してください。
また、発症して2~3日目以降に発熱がひどくなり、吐き気や頭痛を伴う場合は、脳や髄膜にウイルスが侵入している可能性があります。その場合は、入院して治療を行っていきます。特に、脳炎はとてもまれな合併症ですが、後遺症が生じることもあるため注意が必要となります。
もし以下のような症状が表れたら、手足口病かもしれません。
・手のひらや足、口の中にできる米粒大(5~7mm)の水ぶくれ
・38~39℃程度の発熱
病名のイメージから、手や足、口の中だけに水疱が生じると思いがちですが、全身にできることもあります。その年に流行しているウイルスの型によって症状は異なり、手のひらにびっしりと水疱が生じる場合もあれば、口の中の見えにくいところにできることもあります。
たいていの子どもの場合、発熱は水疱と同時に生じます。脱水症状が伴わなければ、比較的元気に見えることが特徴として挙げられます。
子どもの手足、口、体などに水疱ができていると気づいたら、小児科を受診しましょう。手足口病は子どもがよくかかる病気なので、ほとんどの場合、あまり心配する必要はありません。ただし水疱瘡(みずぼうそう)との区別がつきにくいので、一度は医師に診てもらうことが重要です。
手足口病は、一度かかったウイルスには免疫ができます。しかし、ウイルスのタイプが数種類あるため、たとえ昨年や一昨年かかっていたとしても、再度かかってしまう可能性があります。
ウイルスの感染力は強く、特に家庭内や幼稚園・保育園、学校内での感染予防は難しいというのが現状です。外出後や食事前の手洗いを徹底することで、できるだけウイルスを体内に入れないように十分注意するよう心がけましょう。
解説:内藤 朋巳
埼玉県済生会川口総合病院
小児科
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