社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

倦怠感・だるさ 倦怠感・だるさ

人間の身体には、体内環境を一定の状態に保ち続けようとするしくみがあります。この状態を保つために休息が必要になると、体が重くて力が入らない、何もする気になれないなどの倦怠感・だるさの症状が現れます。

倦怠感やだるさには、過労、睡眠不足、不規則な生活、精神的なストレスの蓄積、栄養不足といった日常生活から生じるものがあります。これらは、規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事、心身のリフレッシュ、十分な休養、適度な運動によって予防・解消できることがあります。激しい運動や過度な労働など、身体を動かしたときに生じる倦怠感やだるさは、ゆっくり休養すると数日で回復します。

どんな人に、どんなときに現れるか

倦怠感やだるさは、男女問わず幅広い年齢層にみられます。下記のようなときに現れることがあります。

  • 運動や労働で身体を酷使したとき
  • 睡眠不足のとき
  • 偏った食事が続いているとき
  • 精神的なストレスが蓄積しているとき
  • 病気にかかっているとき

十分な休養をとることなどで回復しますが、休養しても倦怠感やだるさが解消されず、長い間持続する場合は、何らかの病気が背景にある場合があります。例えば、感染症、貧血、心臓や肝臓の病気、糖尿病や甲状腺機能異常、うつ病や心身症、低血圧、悪性腫瘍(がん)、睡眠時無呼吸症候群などです。医療機関を受診するようにしてください。

どんな病気が関係しているか

「倦怠感・だるさ」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。

症状とその特徴

説明

疑われる主な病気

・鼻水、鼻づまり

・のどの痛み

・発熱

・頭痛

・せき、痰

・倦怠感

空気中のウイルスが気道内に入って増殖する。上気道に急性の炎症が起こる

風邪

・発熱

・倦怠感

・嘔吐、下痢

・黄疸

主に肝炎ウイルスへの感染が原因。肝硬変肝臓がんへの進行を予防するため、早期の治療が大切

急性肝炎

慢性肝炎(の増悪)

・めまい

・頭痛

・息切れ

・倦怠感

・味覚障害

全身に酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが不足する。約9割は鉄分不足による鉄欠乏性貧血

貧血

・起床時の頭痛

・日中の眠気

・倦怠感

・記憶力や集中力の低下

・気分の落ち込み

睡眠中に無呼吸状態を繰り返すため、睡眠が浅くなり、体を休めることができない

睡眠時無呼吸症候群

・喉の渇き

・頻尿

・倦怠感

・体重減少

・神経障害

血糖値を下げるインスリンの分泌量が減ったり、働きが悪くなったりすることで、高血糖状態が続く

糖尿病

・肩こり

・のぼせ

・倦怠感、だるさ

・めまい

・頭痛

・抑うつ気分

女性ホルモンが急激に減少することで起こる。40歳代半ばに始まることが多い

更年期障害

・全身の疲労感

・倦怠感

筋肉痛

・睡眠障害

・発熱

・頭痛

・思考力低下

日常生活に支障をきたす強い疲労感が長期間続く。女性に多い

慢性疲労症候群

・抑うつ気分

・興味や喜びの喪失

・気力の減退

・食欲、睡眠などの変化

・絶望感や無価値感など

・身体の痛みやだるさ

こころの症状がほぼ毎日、2週間以上続き、生活に支障をきたす。身体の症状が出ることもある

うつ病

・朝に起きられない

・立ちくらみ、めまい

・動悸、息切れ

・頭痛

・倦怠感

・失神

思春期前後の小児に多くみられる。自律神経の機能が低下して循環器系の調節がうまくいかなくなる

起立性調節障害

チェックポイント

(1)次のような症状の有無を確認する

  • 症状はどのくらい続いているか
  • 休養した後の回復の有無
  • 尿の色に変化があるか
  • 倦怠感・だるさ以外に気になる症状があるか(あればどのような症状か)

(2)次のような環境を確認する

  • 眠れているか、いびきをかくか
  • 体重に変化はあるか、食欲はあるか
  • 飲んでいる薬やサプリメントの種類
  • 既往歴はあるか
  • 現在、患っている病気はあるか
  • 生活の変化(ライフイベント)や精神的ストレスなどがあったか


泉 学

解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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