腹痛
この症状が現れる主な病気 66件
- 自律神経失調症
- 起立性調節障害
- 神経調節性失神(反射性失神)
- 子どもの急性胃腸炎
- 虫垂炎
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- 筋肉痛
- 卵巣のう腫茎捻転
- イレウス(腸閉塞)
- 胃潰瘍
- 心筋梗塞
- 過敏性腸症候群
- 十二指腸潰瘍
- 大腸憩室症
- 月経前症候群(PMS)
- カンピロバクターによる感染性胃腸炎
- 膀胱炎
- 前立腺炎
- 胃下垂
- 弛緩性便秘
- 急性膵炎(きゅうせいすいえん)
- 子宮内膜症
- 腸間膜動脈閉塞症
- アルコール性肝炎
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
- 偽膜性大腸炎
- 虚血性大腸炎
- 食道炎・食道潰瘍
- 低血圧
- 月経困難症
- 胆石
- 胆のう腺筋腫症
- 腹部大動脈瘤
- ベーチェット病
- 機能性ディスペプシア
- 汎発性(はんぱつせい)腹膜炎
- 急性胃炎
- 尿路結石
- 潰瘍性大腸炎
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
- クローン病
- 腸結核
- 副腎がん
- 糖尿病ケトアシドーシス
- 腸重積症
- 多発性のう胞腎
- 胃がん
- ノロウイルスによる感染性胃腸炎
- 赤痢
- ポルフィリン症
- 胚細胞腫瘍
- A型肝炎
- 卵巣がん
- 好酸球増多症
- 子宮肉腫
- 胆道がん
- 絨毛がん
- 慢性膵炎
- ロキタンスキー症候群
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
- 薬剤性腸炎
- 門脈血栓症
- 膵臓(すいぞう)がん
- 結腸がん
- 子宮付属器炎
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 食物アレルギー
腹痛の原因はさまざまで、しばらくすれば自然に治る軽いものから、生命に関わる重篤なものまであります。
腹痛が起こるメカニズムは大きく分けて三つあります。
①内臓痛(波のある鈍痛で、場所がはっきりしない)
臓器が変形するような力が加わって痛みが起こる。しばらくすれば治ることが多い
②体性痛(突き刺すような鋭い痛みで、場所がはっきりしている)
臓器を包んでいる腹膜が刺激を受けて痛みが起こる。緊急対応が必要になることもある
③関連痛(身体の表面の一部分に痛みを感じる)
原因がある部分と神経でつながっている離れた部分に痛みが起こる
これらの痛みの違いに加え、痛みの場所や移動の有無、痛みの起こり方(歩くと響く、押すと痛みが増すなど)、痛みが続く時間などの特徴と検査結果を踏まえて診断に至ります。
急性(発症1週間以内)で手術などの緊急対応が必要な腹痛のことを「急性腹症」といいます。また、心筋梗塞や肺炎、こころの問題など、腹部以外の病気により腹痛が起こることもあります(これが③関連痛にあたります)。この場合も、原因によっては緊急対応が必要になります。
下記のような腹痛であれば、早めに病院(消化器科、内科)を受診しましょう。
※持病がある人、妊娠している人、高齢者では、上記ほどの症状でなくても、受診するようにしてください。
どんな人に、どんなときに現れるか
腹痛は誰にでも起こるありふれた症状ですが、その原因は多岐にわたります。安易な自己診断はせず、気になる場合は医療機関を受診してください。高齢者では重い病気でも症状が乏しいことがあり、さらに状態が急速に悪化することも多いため、特に注意が必要です。
どんな病気が関係しているか
「腹痛」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。
症状とその特徴 |
説明 |
疑われる主な病気 |
---|---|---|
・腹痛(みぞおちから右下腹部に移動することが多い) |
小腸と大腸の間にある虫垂に炎症が起きる。お腹が固くなり、歩行やせきで痛みが増す |
急性虫垂炎 |
・腹痛 |
細菌やウイルス、寄生虫の感染により腸で炎症が起きる |
|
・みぞおちの痛み、不快感 ・胸やけ、げっぷ |
ピロリ菌の感染や非ステロイド性抗炎症薬などにより粘膜に潰瘍ができる |
|
・腹痛、腹部膨満感 |
開腹手術後の癒着や摂取した食べ物により、腸が詰まってしまい、内容物が停滞してしまう |
|
・腹痛(上腹部)、背中の痛み |
胆石や酒の飲み過ぎなどにより膵臓が刺激され、炎症を起こす |
|
・激しい腹痛(下腹部、背中) ・血尿 |
腎臓から尿道までつながる尿路のどこかに石ができ、詰まる |
|
・腹痛、張り(下腹部) ・不正出血 |
受精卵が本来の場所(子宮)以外に着床。そのまま大きくなると周囲の臓器を圧迫・破裂の危険 |
チェックポイント
(1)次のような症状の有無を確認する
- 腹痛はいつから始まったか
- どの部位が痛むか、場所は同じか移動しているか
- どんな痛みか(鈍い痛み、鋭い痛みなど)
- 痛みの始まり方はどうか、その後は続いたか、波があるか
- 身体の向きを変えたり、動いたりすると痛みが変わるか
- 腹痛のほかに気になる症状はあるか(吐き気、下痢、発熱、胸痛など)
(2)次のような環境を確認する
- 腹痛が起こる原因に心当たりはあるか(食べ物、冷え、感染など)
- 現在、患っている病気はあるか(生活習慣病など)
- 飲んでいる薬(特に消炎鎮痛薬)やサプリメントの種類
- ピロリ菌に感染しているか
- 精神的なストレスを感じているか
- (女性の場合)妊娠しているか、妊娠の可能性はあるか
解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長
※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。
※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。
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