社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

かゆみ かゆみ

かゆみは「引っかきたくなるような不快な感覚」のことです。多くの場合はしばらくすればおさまりますが、かゆみが続くと非常につらく、生活に支障をきたすこともあります。

かゆみが起こるメカニズムは大きく二つあります。
末梢性のかゆみ:虫刺されや乾燥など、皮膚が刺激を受けて炎症反応が起こることで生じます。多くの人が日常的に経験しているのがこのタイプです。
中枢性のかゆみ:内因性オピオイドという体内の物質のバランスが崩れることで起こります。持続する強いかゆみで、血液透析を受けている人や肝臓の病気がある人に起こりやすいことが知られています。

かゆみを抑える塗り薬や飲み薬、保湿剤などは、薬局などで処方箋なしで購入できるので、ある程度は自分で対処(セルフメディケーション)できます。しかし、下記のような場合は皮膚科医やかかりつけ医を受診した方がいいでしょう。

  • かゆみが強い/長引いて生活に支障が生じている
  • 皮膚がただれている、化膿してジュクジュクしている
  • かゆみや皮膚症状のほかに、発熱血便、おりものの異常などの症状がある
  • 新しい薬を飲んで間もなく、今までになかったかゆみや赤み、発疹が出た
  • かゆみとともに、息苦しさやせき、腹痛吐き気、頻脈や動悸不安感などがある(アナフィラキシー)
    ※ある場合は救急車を呼んでください

どんな人に、どんなときに現れるか

かゆみはどの年代の人にも起こります。乳児や小児はまだ皮膚や内臓が発達途中のため、ちょっとした刺激で湿疹(皮膚の炎症)ができやすく、かゆくなります。どんなときにかゆみが出るのかよく観察し、肌の保湿や着衣・環境の工夫で刺激を減らしましょう。
健康な成人でも、乾燥や日焼けなどで皮膚のバリアが崩れたときや、外部の刺激(肌に合わない洗剤や虫刺され、摩擦など)を受けたとき、精神的なストレスがあるときにかゆみが生じます。また、高齢になると皮脂が減り、乾燥してかゆみが起きやすくなります。

病気が原因で全身的なかゆみが起こる場合もあります(腎臓病、肝臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症など)痔核や性感染症では局所的なかゆみが出ます。
特定の物質(薬剤や食品など)に対するアレルギー反応としてもかゆみが生じます。

このように、かゆみを引き起こす原因は数多くあります。原因がはっきりしない場合も、かゆみを抑える治療法はありますので、気にし過ぎないことが大事です。ただし、内臓疾患やほかの疾患の一症状として、かゆみ(掻痒感)が出ている場合もあります。一度は医療機関への受診や、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

どんな病気が関係しているか

「かゆみ」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。

症状とその特徴

説明

疑われる主な病気

・かゆみ

・急に現れて1日以内に消える紅斑、膨疹

何らかの理由で皮膚の肥満細胞からヒスタミンが放出されて生じる

蕁麻疹

・かゆみ

・紅斑、丘疹、水疱、膿疱

何らかの理由で皮膚に炎症が起きたことにより生じる

湿疹(皮膚炎)

・かゆみ

・発疹などは出ない

高齢者では皮膚の乾燥により起こりやすい。腎臓や肝臓、糖尿病などの病気によるものもある

皮膚瘙痒症

・かゆみ

・円~楕円形の紅斑

・銀白色の鱗屑がつく

皮膚の新陳代謝が速すぎるために起こる。体質に環境ストレスが影響して発症する。伝染しない

乾癬

チェックポイント

(1)次のような症状の有無を確認する

  • どんなときに、どのようなかゆみが出るか
  • かゆみは繰り返しているか
  • かゆみのほかに皮膚症状はあるか(発疹など)
  • 皮膚以外に症状はあるか(発熱など)
  • かゆみとともに、息苦しさやせき、腹痛吐き気、頻脈や動悸不安感などがあるか(アナフィラキシー)
    ※ある場合は救急車を呼んでください

(2)次のような環境を確認する

  • 飲んでいる薬やサプリメントの種類(特に最近飲み始めたものに注意)
  • 腎臓や肝臓の病気、糖尿病などの病気があるか
  • 洗剤、アクセサリーなど、かゆみが起きた部分を刺激したようなものがあるか
  • 特定の飲食物やシチュエーションでかゆみが誘発されるか
  • 精神的なストレスを感じていないか


泉 学

解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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