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2022.10.19
クラミジアと淋菌以外の病原菌やウイルスなどが原因で発症する尿道炎のことを「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」と呼びます。
さまざまな細菌のほか、ウイルスや寄生虫などが原因の候補として挙げられており(以下参照)、セックスやオーラルセックスによって感染するとされています。
<非クラミジア性非淋菌性尿道炎の原因と思われる病原体>
ウレアプラズマ、マイコプラズマ、ブドウ球菌、腟トリコモナス原虫、ヘルペスウイルス、アデノウイルス など
なお、尿道炎は通常、男性の病気を指します。
尿道からの分泌物(膿)や、尿道の痛み、かゆみ、不快感などがみられ、いずれも症状が軽い場合が多いようです。性器クラミジア感染症でも同様の症状がみられます。
尿道炎の症状があり、クラミジアも淋菌も検出されない場合や、治療を行なってもなかなか治らない場合などに検査をすることがあります。
検査ではPCR法を用います。これは初尿(出始めの尿)を使用して病原菌のDNAを増幅して調べる「核酸増幅法」の一種で、感度が非常に高い検査法です。
一般的にクラミジア性尿道炎の治療で使われる抗生物質を使用して治療します。
検査の結果、原因菌を特定できた場合は、その菌に効果がある薬を使用します。原因菌がウレアプラズマやマイコプラズマであれば、マクロライド系やニューキロノン系の抗生物質を内服します。
非クラミジア性非淋菌性尿道炎の潜伏期間(病原体に感染してから症状が出るまでの期間)は一般的に1~5週間とされます。潜伏期間後に排尿時の痛みや外尿道口(がいにょうどうこう=尿道の先端部)からの膿の分泌、尿道部の不快感などの症状が現れたら速やかに泌尿器科を受診してください。
非クラミジア性非淋菌性尿道炎の原因となる病原体への感染を予防するには、セックス時のコンドームの使用が有効と考えられています。
また、治療中はセックスやオーラルセックスを行なわないようにしましょう。
解説:豊澤 徳行
大牟田病院
副院長兼泌尿器科部長
※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。