社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

クラミジア感染症

Chlamydia Infection

解説:武島 仁 (龍ケ崎済生会病院 副院長)

クラミジア感染症はこんな病気

クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という病原体による感染症です。性行為により、女性の子宮頚管や男性の尿道、咽頭粘膜(喉の粘膜)などに感染します。女性の性感染症では最も多い病気で、特に若い世代に感染者が多いことが問題とされています。1998年~2002年にかけての5年間の調査で10~20代の女性に広く蔓延していることが初めて指摘され、その後は若干の減少傾向もあったものの、現在でも若い女性の間で無症状も含めて多くの感染者が存在すると推測されています。

クラミジア感染症の症状

クラミジア感染症の症状には主に次のようなものがあります。

【クラミジア性子宮頚管炎】
クラミジアが子宮頚部に感染し発生する炎症のことです。多くはクラミジアに感染した男性の尿道分泌物から感染します。感染後1~3週間で帯下(おりもの)の増加や軽い痛みなどの症状が出ますが、無症状のまま気づかれないことのほうが多いと考えられています。感染が子宮から卵管へ進むと卵管の閉塞が起こり、不妊症の原因となることがあります。妊婦が感染している場合は出産時に子どもに感染し、新生児結膜炎や肺炎の原因にもなります。

クラミジア性子宮頚管炎

クラミジア性子宮頚管炎

【クラミジア咽頭感染症】
口腔性交により、クラミジアなどの性感染症の病原体は咽頭にも感染します。クラミジアが咽頭に感染している人との口腔性交により性器にも感染します。無症状であることが多いため、感染の自覚が難しく、感染の拡大や放置の危険性があります。口腔性交の機会があり、性器などからクラミジア感染が見つかった場合、婦人科医や泌尿器科医だけではなく耳鼻科医も受診することをお勧めします。

【クラミジア性尿道炎】
男性の尿道がクラミジアに感染し炎症を起こすことを指します。性行為による感染後1~3週間で、排尿痛がある場合や粘り気の少ない膿を尿道口から排出した場合には、クラミジア性尿道炎が疑われます。排尿時の痛みはそれほど強くないため、気づかないまま細菌を保持してしまうことも少なくありません。クラミジアが尿道から精管を逆流して精巣上体(精巣に隣接し精子の通り道となっている部分)に感染すると精巣上体炎となり、腫れや痛み、発熱などの症状が出ることがあります。

クラミジア性尿道炎

クラミジア性尿道炎

クラミジア感染症の治療法

アジスロマイシンという抗生物質の内服が治療に有効です。しかし、クラミジアの感染が消失したことを確認するまでは性行為は控えてください。また、性的パートナーがいる場合は同様に感染している可能性が高いため、同時に検査・治療することをお勧めします。

前述したような症状があり、感染に心当たりがある場合には必ず専門医を受診しましょう。クラミジアと淋菌感染の検査はセットで簡単に受けることができます。男性の場合は、前回の排尿から1時間半以上経過してから出た尿を検査します。女性の場合は、膣や子宮頚管から綿棒で採取した分泌物を調べます。咽頭感染に関しては、綿棒やうがいによって喉から分泌液を採取し、検査します。感染したことが判明した場合、性的パートナーも検査を受けましょう。

クラミジアの予防には、不特定多数との性行為を避けることが重要です。また、性交渉時にはコンドームを使用するべきです。口腔性交でも感染するので、同様にコンドームが必要です。コンドームは避妊具だけではなく、性感染症予防の手段でもあると考えてください。

武島 仁

解説: 武島 仁
龍ケ崎済生会病院
副院長


※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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