社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

発熱 発熱

この症状が現れる主な病気 75件

発熱とは、体温が上昇している状態のことをいいます。私たちの体温は、通常時は脳内の視床下部にある「体温調節中枢」の働きによって、一定の範囲(平熱)に保たれています。ところが、さまざまな原因によって体温調節中枢の設定温度が高くなると、発熱が生じます。

発熱の原因として、主に下記のようなことが考えられます。
  • 細菌やウイルスへの感染(免疫機能を高めるための生体防御反応)
  • 炎症を起こす病気(自己免疫疾患など)
  • 悪性腫瘍(がん)
  • 薬剤の副作用

また、発熱の進行で懸念されるのが、脱水症状です。発熱に伴って、通常みられるはずの発汗がむしろ減って脇の下に湿り気がなくなったり、口の中まで乾いていたりということがあれば、脱水の進行が疑われます。脱水予防のため、水分と適度な塩分を補給することが大切です。特に高齢者はこの脱水症状が出にくいといわれており、症状を自覚する前に補給した方がよいでしょう。

どんな人に、どんなときに現れるか

どの年代、性別の人でも発熱は起こります。ほとんどの場合、風邪などの感染症の症状として発熱しますが、自己免疫疾患や悪性腫瘍(がん)といった病気の症状として現れている場合もあるので、注意が必要です。

どんな病気が関係しているか

「発熱」の症状が現れる主な病気の中で発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。

症状とその特徴

説明

疑われる主な病気

・発熱

・腹痛

・吐き気・嘔吐

・下痢

細菌やウイルス、寄生虫の感染により腸で炎症が起こる

感染性胃腸炎(カンピロバクターノロウイルスなど)

上記に加え、痛みが右下腹部に移動し、歩くと響く

小腸と大腸の間にある虫垂(盲腸)に炎症が起こる。お腹が硬くなり、歩行やせきで痛みが増す

虫垂炎

 

・発熱

・腰痛

・頻尿

・残尿感

膀胱を経て、通常の尿の経路を逆行する形で腎臓に到達し、細菌が増殖して炎症が起こる

腎盂腎炎

・発熱を繰り返す

・関節痛

免疫機能の異常により、全身の複数の臓器に炎症が起こる一連の疾患群

膠原病

・発熱

・倦怠感

・のどの痛み

・飲み込みにくさ

・声のかすれ

細菌やウイルスの感染により炎症が起こる

急性喉頭蓋炎

・のどの痛み

・飲み込みにくさ

・発熱

・腫れ、赤み

細菌の感染により扁桃の周囲の組織に膿がたまる

扁桃周囲膿瘍

・発熱を繰り返す

・悪寒

・倦怠感

・食欲不振

血液中に入った細菌が心臓の内部に感染巣を作り炎症が起こる

感染性心内膜炎

・発熱、頭痛、嘔吐

・首が硬く曲げにくい

・けいれん

・意識障害

乳幼児期に起こりやすい。脳や髄膜(頭蓋骨と脳の間の膜)に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる

髄膜炎

・発熱

・悪寒

・意識障害

細菌やウイルスの感染による炎症が全身に広がり臓器障害が起こる。重症だと生命に関わる

敗血症

チェックポイント

(1)次のような症状の有無を確認する

  • 38℃を超える体温があるか
  • 発熱がどのくらい続いているか
  • 解熱を認めるときはあるか
  • 頻脈(90/分以上)がみられるか
  • 脱水症状は起こっていないか
  • そのほか、気になる症状はあるか(声のかすれ、関節痛嘔吐下痢など)
  • 食事はとれているか、体重減少はあるか

(2)次のような環境を確認する

  • 飲んでいる薬やサプリメントの種類
  • 感染症の患者との接触があったか
  • 海外渡航歴
  • 周りに同じような症状の人はいたか


泉 学

解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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