社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2023.06.28

混合性結合組織病(MCTD)

mixed connective tissue disease

解説:大庭 敬 (川俣病院 副院長)

混合性結合組織病(MCTD)はこんな病気

混合性結合組織病(MCTD)は全身性エリテマトーデス(SLE)強皮症(SSc)、多発性筋炎(PM)といった膠原病の症状が混在する病気で、血液検査で「抗U1-RNP抗体」という自己抗体(自分の細胞を攻撃してしまう抗体)が陽性となるのが特徴です。
性別では圧倒的に女性に多く、男女比はおよそ1:15です。年齢は30~40代に多いとされています。

混合性結合組織病(MCTD)の症状

寒冷刺激や精神的緊脹によって誘発されるレイノー現象(手指が蒼白化して紫色、赤色を経て数分間で正常に戻る変化)のほかに、手指の腫脹(ソーセージのように腫れた状態)やリンパ節腫脹が多くみられます。


発熱、顔面紅斑(蝶形紅斑=鼻から両頬にかけて現れる皮膚の赤み)、多発性関節炎(自己免疫の異常によって複数の関節で関節炎が起こること)、胸膜炎心膜炎による胸痛があります。
また、筋肉が炎症を起こす筋炎の症状として体幹部の筋力低下と筋肉痛があり、立ち上がる動作が難しくなることがあります。

混合性結合組織病(MCTD)の合併症で最も重要なものとして肺動脈性肺高血圧症(肺動脈の血圧が異常に高くなる病気)があります。動悸、身体を動かしたときの息切れ、胸痛が起こり、MCTDの死因の第1位です。

混合性結合組織病(MCTD)の検査・診断

血液検査で抗U1-RNP抗体が陽性になり、赤沈(赤血球沈降速度)の亢進やCRP(炎症や細胞・組織に障害が起こると増えるタンパク質)値の上昇、筋組織の中にある酵素である筋原性酵素(CPK、AST、LDH)の上昇がみられます。
病状が悪化すると、白血球や血小板の減少も起こります。

混合性結合組織病(MCTD)の治療法

治療はステロイド剤の投与が基本です。ステロイド剤は決められた通りに内服し、患者さんが自分の判断で量を調節したり中止したりしないようにしましょう。

レイノー現象に効果的な治療薬は開発されていません。保温や禁煙が第一になります。
なお、肺動脈性肺高血圧症の治療については近年、治療薬の改善が進歩しています。

早期発見は難しいため、「混合性結合組織病(MCTD)の症状」の項で記した症状がみられた場合、速やかに受診しましょう。

残念ながら予防法は特にありませんが、紫外線の強い環境を避けて皮膚を保護することは効果があるとされています。

解説:大庭 敬

解説:大庭 敬
川俣病院
副院長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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