2017.05.10
心臓を包むように存在する心膜に炎症を起こします。急性心膜炎が治癒しきらずに経過して、慢性に移行する場合や、ウイルス性、結核性の炎症、放射線治療の後、膠原病、甲状腺機能低下症に伴い、心嚢液の貯留や心膜の肥厚を認めるようになります。その結果、心嚢液貯留による心タンポナーデを起こしたり、心膜の肥厚・石灰化等を起こし、収縮性心膜炎に移行する可能性があります。胸痛、咳等が長引くようでしたら、胸部レントゲン、心エコー、CT等で心嚢液貯留や心膜肥厚を確認する必要があります。
胸部不快感、咳、労作時(身体を動かしている時)に呼吸苦等を認めた場合は、病院での検査をお勧めします。胸部レントゲン、心電図、心エコー等を行い、レントゲンでは心拡大、心電図では低電位、心エコーで心嚢液貯留を認めることで診断できます。
解説:美馬 敦
済生会今治病院
循環器内科副院長
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