息切れ・呼吸困難
この症状が現れる主な病気 81件
- 自律神経失調症
- 起立性調節障害
- 肺水腫
- 間質性肺炎・肺線維症
- 肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
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- 尿毒症
- パニック障害
- 胸膜炎
- 鉄欠乏性貧血
- 誤嚥性肺炎
- 慢性腎不全
- 心筋梗塞
- たこつぼ型心筋症
- 気胸
- 慢性心不全
- 急性喉頭蓋炎
- 消化管出血
- 緊張性気胸
- 巨赤芽球性貧血
- 心房細動
- 強皮症(SSc)
- 急性心筋炎
- カンピロバクターによる感染性胃腸炎
- 気管支拡張症
- 水・電解質代謝異常
- 心室中隔欠損症(VSD)
- 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
- 縦隔腫瘍
- 心房中隔欠損症(ASD)
- 子宮筋腫
- 動脈管開存症(PDA)
- RSウイルス感染症
- 過敏性肺炎
- 急性白血病
- 再生不良性貧血
- 房室ブロック
- びまん性肺疾患
- 感染性心内膜炎
- 心臓弁膜症
- 不整脈
- 腎硬化症
- ヒトメタニューモウイルス感染症
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 中皮腫
- 骨髄異形成症候群
- 僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流)
- 肺高血圧症
- 肺がん
- 下咽頭がん
- 脳性麻痺
- 破傷風
- 大動脈弁狭窄症
- 新生児敗血症
- 新生児肺炎
- 慢性腎臓病(CKD)
- 肺結核
- エプスタイン病
- 甲状腺がん
- 筋萎縮性側索硬化症
- 拡張型心筋症
- 重症筋無力症
- サルコイドーシス
- 胚細胞腫瘍
- 減圧症
- 好酸球増多症
- 肥大型心筋症
- 僧帽弁狭窄症
- 全般不安症(GAD)
- 自己免疫性溶血性貧血
- 社交不安障害(SAD)
- SARS(重症急性呼吸器症候群)
- ジフテリア
- MERS(中東呼吸器症候群)
- 混合性結合組織病(MCTD)
- 転換性障害
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
- 急性冠症候群(ACS)
- 本態性血小板血症
- 心アミロイドーシス
- 気管支喘息
- 褐色細胞腫
呼吸困難とは、呼吸に何らかの不快感が伴うことを指します。脳(延髄)にある呼吸中枢からの指令と、気道や肺の感覚、血中の酸素や二酸化炭素などの濃度などがかみ合っていない場合に、脳(大脳皮質)がおかしいと判断することで呼吸困難を感じます。息切れする、息が苦しい、うまく吸えない/吐けない、空気が入ってこない、酸素が足りない感じがするなど、人によって感じ方や表現はさまざまです。
慣れない程度の激しい運動をした後に息切れして、しばらく休めば元通りになるのは当たり前のことであり、心配する必要はありません。しかし、安静にしていても呼吸困難があったり、これまで問題なくできていた運動でも症状が現れる場合には、何らかの病気の可能性があります。苦しくて横になっていられず、座ると呼吸が少し楽になるというような状態は注意が必要です。
また、胸痛、のどの痛み、嘔吐、冷や汗、声がれ、チアノーゼ(唇や指先が青や紫になる)などの症状もある場合は、一刻を争うほど危険な状態であることもあります。すぐに医療機関に相談しましょう。
呼吸困難の原因としては、主に下記のようなことが考えられます。
気管や肺そのものに問題がある:気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気胸など
呼吸に必要な筋肉の運動に問題がある:神経筋疾患、間質性肺炎・肺線維症など
心臓に問題がある:うっ血性心不全、心臓弁膜症、狭心症など
血中の酸素と二酸化炭素などのバランスに問題がある:過呼吸症候群など
このほかにも、感染症(結核を含む)などによる肺炎や、肺の血管が詰まる肺塞栓症(エコノミークラス症候群)など、呼吸困難を起こす病気はさまざまです。呼吸は生命に直結する機能ですので、呼吸困難がある場合は一刻も早く医療機関(呼吸器科、内科)に行ってください。
どんな人に、どんなときに現れるか
呼吸困難はどの世代でも起こり得ます。小児はまだ身体がしっかりできておらず、呼吸困難を起こしやすい状態です(気道が狭い、胸郭が弱い、肺や血液の機能が未熟など)。ウイルスや細菌の感染、アレルギー、異物の誤飲などによる呼吸困難は、症状が悪化するスピードも速いので注意が必要です。
気管支喘息は子どもの病気というイメージがありますが、実は喘息で亡くなっているのはほとんどが高齢者です。また、長期間にわたり喫煙を続けていた高齢者はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)になりやすいとされます。COPDは進行するにつれて、「陸上で溺れるような呼吸困難」と表現される苦しさを起こしてきますので、禁煙を始めるタイミングは早ければ早い方がよいでしょう。
どんな病気が関係しているか
「息切れ・呼吸困難」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。
症状とその特徴 |
説明 |
疑われる主な病気 |
---|---|---|
・呼吸困難(吐きにくい) ・喘鳴(ゼーゼー音) ・せき、痰 |
気管に慢性的な炎症が引き起こされ、ちょっとした刺激で気道が狭くなる。夜間に悪化 |
|
・呼吸困難(身体を動かすと息切れ) ・せき、痰 |
長年の喫煙により気管や肺が傷つき、呼吸機能が低下した状態。酸素をうまく取り込めない |
|
・呼吸困難(突然) ・胸痛 ・せき |
肺を包んでいる膜が破けることにより、肺がしぼんでしまう。やせ型で背の高い青年男性と喫煙歴のある高齢男性に多い |
|
・呼吸困難(身体を動かすと息切れ) ・むくみ ・体重増加 |
心臓の機能が低下して身体に酸素が行き届きにくくり、肺に水がたまって呼吸困難が起こる |
|
・呼吸困難 ・長引くせき(痰はない) |
肺胞の周りにある間質に炎症が起こって肺全体が硬くなり、酸素を取り込みにくくなる |
|
・息苦しさ ・鋭い胸痛(息を吸うとき) |
肺の動脈に血栓が詰まる。血栓の多くは足の血管でできたもの |
|
・呼吸困難(過呼吸、息苦しさ) |
パニック障害や極度の緊張により呼吸数が増え(過呼吸)、血液がアルカリ性に傾く |
過換気症候群(過呼吸症候群) |
チェックポイント
(1)次のような症状の有無を確認する
- どのような呼吸困難を感じているか
- 突然発症/悪化したか
- どのようなときに起こったか
- 呼吸するときに音がするか
- せきは出るか
- 痰は出ているか(どんな色か)
- そのほか、気になる症状はあるか(胸痛、嘔吐、冷や汗など)
(2)次のような環境を確認する
- 喫煙をしているか
- 気管や肺に刺激を与えるような原因に思い当たるか(排気ガス、粉塵など)
- 現在、患っている病気はあるか
- 精神的なストレスを抱えていないか
- 健康診断で指摘されていることはあるか
- 飲んでいる薬やサプリメントの種類
解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長
※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。
※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。
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