下痢
この症状が現れる主な病気 34件
- 自律神経失調症
- 子どもの急性胃腸炎
- 過敏性腸症候群
- 直腸がん
- 強皮症(SSc)
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- カンピロバクターによる感染性胃腸炎
- 甲状腺クリーゼ
- 小児片頭痛
- 糖尿病神経障害
- 偽膜性大腸炎
- 急性白血病
- 虚血性大腸炎
- バセドウ病
- ベーチェット病
- 汎発性(はんぱつせい)腹膜炎
- 原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病)
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 腸結核
- 小児てんかんおよび熱性けいれん
- フィッシャー症候群
- ノロウイルスによる感染性胃腸炎
- 赤痢
- 膵神経内分泌腫瘍(PNET)
- 腸チフス
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- SARS(重症急性呼吸器症候群)
- MERS(中東呼吸器症候群)
- ヘリコバクター・ピロリ菌感染
- 亜鉛欠乏症
- 薬剤性腸炎
- 結腸がん
- ロタウイルス感染症
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
下痢とは「大便中の水分が増加した状態」です。健康な便(普通便)の水分量は通常は60~70%ですが、80~90%に増えるとやや軟らかい便(軟便)~泥状便となり、90%以上になると水様便になります。
下痢が起こるメカニズムは大きく4つに分けられます。
①腸からの水分吸収が妨げられる(浸透圧性下痢)
②腸に炎症が起きて腸の中に体液がにじみ出てくる(滲出性下痢)
③腸が出している腸液の分泌量が増える(分泌性下痢)
④消化物の通るスピードが速すぎて、水分吸収が追い付かない(過剰な蠕動運動)
下痢は日常的に起こる症状です。水分補給に気を付けて安静にし、しばらく様子を見ていれば多くの場合は改善します。しかし、下記のような場合は医療機関を受診した方がいいでしょう。
どんな人に、どんなときに現れるか
下痢は老若男女、誰にでも起こります。2週間以内に治る下痢は「急性下痢」、2週間以上4週間以内の下痢を「遷延性下痢」、4週間以上続く下痢を「慢性下痢」といいます。
急性下痢の原因としてよくみられるものに、下記があげられます。
食べ過ぎ、飲み過ぎ:脂っこい食品、お酒、香辛料、人工甘味料、サプリメント(食物繊維やマグネシウムなど)
感染症/食中毒:細菌が作り出した毒素やウイルス、寄生虫の増殖により腸が刺激されて炎症を起こす
生活習慣:ストレス、お腹の冷え
体質:アレルギー反応、乳糖不耐症
薬の影響:特に抗菌薬(抗生物質)、そのほかに降圧薬、便秘薬、痛み止め、胃薬など
下痢が4週間以上続く場合(慢性下痢)の場合は、背景に何らかの病気が隠れている可能性があります。内科または消化器科の医師に診てもらいましょう。
どんな病気が関係しているか
「下痢」の症状が現れる主な病気の中で発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。
症状とその特徴 |
説明 |
疑われる主な病気 |
---|---|---|
ストレスや緊張、不安などによる精神的な要因が腸に影響を及ぼす |
過敏性腸症候群(IBS) |
|
細菌やウイルス、寄生虫の感染により腸で炎症が起きる |
||
乳製品を飲食した後にお腹がゴロゴロする |
乳糖を分解する消化酵素が弱く、腸での水分吸収が妨げられる |
乳糖不耐症 |
特定の物質に免疫系が反応し、腸でも炎症が起きる |
||
消化管(主に腸)に炎症が起きる。若い人に多い |
||
・血液の混じった便 |
がんが進行すると出血しやすく、腸管が狭く通りにくくなる。早期に見つけるには検診が大事。中年~高齢者に多い |
チェックポイント
(1)次のような症状の有無を確認する
- 下痢の性状(軟便~水様便)
- 下痢の頻度(いつから、日に何回か)
- 下痢の経過(改善傾向、悪化傾向、変わらない)
- 便に血が混ざっているか
- 下痢以外にも悪心(気持ち悪さ)や嘔吐、発熱があるか
- 排便後にも腹痛が続くか
- 下痢と便秘を繰り返すか
- 脱水症状があるか
(2)次のような環境を確認する
解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長
※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。
※診断・治療を必要とする方は最寄りの医療機関やかかりつけ医にご相談ください。
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