社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

動悸 動悸

動悸とは、自分の心臓の拍動(心拍、ドキドキという動き)に敏感になって、不快感や違和感を自覚する状態のことです。脈拍が速くても、遅くても、普通であっても、その脈拍がいつもと違うだけで動悸と表現されますので、どのような動悸なのかが大切です。

心臓は1分間に6070拍で規則的に収縮しますが、このリズムが崩れることを総称して不整脈と呼んでいます。心拍数が多い/少ない、本来起こらないタイミングでの収縮などいろいろバリエーションがあり、これらを自覚した場合に動悸という症状になります。不整脈は治療が必要な場合とそうでない場合がありますが、生命の危険があるものも含まれます(特に動悸とともに失神してしまうような場合)ので注意が必要です。
また、不整脈がなくても、心臓弁膜症肥大型心筋症などで心臓の本来の動き方・働き方から逸脱する場合にも、動悸を感じることがあります。

一方、心臓の動きは自律神経によって制御されています。自律神経は体内のさまざまなシグナル(ホルモンなど)を感知しながら調整していますが、発熱や貧血、起立性低血圧、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、更年期障害、低血糖などがあると、その影響を受けて動悸を自覚することがあります。また、こころの病気(パニック障害やうつ病など)も、心臓の機能に影響を与える可能性があります。

なお、薬剤の副作用(交感神経作動薬、抗コリン薬、血管拡張薬、抗精神病薬など)や嗜好品(カフェイン、ニコチンなど)の影響で動悸が出ることもあります。

どんな人に、どんなときに現れるか

動悸の主な原因となる不整脈は高齢者に多い病気ですが、若い人にも起こり得ます。不整脈のなかでも最も多い心房細動は、加齢とともに増え、女性よりも男性に多いことが知られています。
その他、動悸を起こす原因はさまざまですが、生命に関わるような病気が隠れている場合もあります。動悸を感じたら医療機関(循環器科、内科)を受診しましょう。

どんな病気が関係しているか

「動悸」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。

症状とその特徴

説明

疑われる主な病気

・動悸

・息切れ

・めまい

・失神(血圧低下)

心房がけいれんするように、不規則かつ頻回に収縮する。血栓・塞栓症の原因にもなる

心房細動

・動悸

・胸の痛み

・息切れ

心臓で血液の逆流を防止している弁がうまく機能せず、血液が逆流したり、流れが悪くなったりする

心臓弁膜症

・動悸

・息切れ

・めまい(立ちくらみ)

体内に貯蔵している鉄の量が減って赤血球を作れなくなり、酸素不足となる

鉄欠乏性貧血

・動悸

・甲状腺の腫れ

・指の震え

甲状腺ホルモンの過剰分泌により、頻脈となる。暑がり、体重減少や疲労感なども起こる

甲状腺機能亢進症
(バセドウ病など)

《パニック発作》

・突然の強い不安

・めまい、動悸、息切れなど

特定の状況でパニック発作が起こる。発作の一部として動悸(頻脈)が出ることもある

パニック障害

チェックポイント

(1)次のような症状の有無を確認する

  • どのような動悸か(脈が飛ぶ、脈が速い、脈を強く感じるなど)
  • どのようなときに動悸が起きたか(運動時、姿勢の変化時、特定の状況下など)
  • 動悸とともに意識障害失神はあるか
  • いつ頃から自覚するようになったか
  • 動悸以外に気になる症状はあるか(息苦しさめまい、立ちくらみ、胸痛、震え、不安感など)

(2)次のような環境を確認する

  • 現在、患っている病気はあるか
  • 飲んでいる薬やサプリメントの種類(違法薬物を含む)
  • カフェイン、ニコチン(たばこ)、アルコール(酒)摂取の有無
  • 生活の変化や精神的ストレスなどがあったか


泉 学

解説:泉 学
済生会宇都宮病院
内科系診療部長補佐・総合診療科 主任診療科長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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