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済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
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2020.01.08
蜂窩織炎とは、皮膚とその下の組織に細菌が感染し、炎症が起こる病気です。蜂巣炎(ほうそうえん)ともいいます。皮膚の細菌感染症の中では、伝染性膿痂疹、丹毒などと並び比較的頻度の高い病気です。
はじめに患部の皮膚に赤み、腫れ、熱感、痛みが出現し、急速に広がります。発熱、悪寒、倦怠感などを伴うことも多くあります。足のすねの部分や甲によく発生しますが、他の部位に起こることも多いです。通常は同時に複数の部位に発症することはありません。
医師の病歴聴取、患部や全身の診察で行なわれます。症状がひどい場合は炎症の程度をみるため血液検査を行なうこともあります。血液検査では、通常は白血球数やCRP(炎症反応の数値)が上昇しています。患部に膿(うみ)がない場合も多く、培養で細菌を検出することは困難です。また原因になる菌の大部分が連鎖球菌とブドウ球菌ため、特殊な場合を除いて培養は行なわれません。
抗菌薬による薬物療法を飲み薬または点滴で行ないます。蜂窩織炎の原因になる細菌には数種類ありますが、前述したように大部分は連鎖球菌とブドウ球菌です。通常の薬剤投与期間は5~14日くらいですが、炎症の程度、治療を開始した時期、原因菌、患者さんの免疫力などによって異なります。
軽症の蜂窩織炎は飲み薬で通院治療します。患部を安静にすること、氷などで冷やすこと、下肢に感染した場合は患部を高く保つことなども大切です。
発熱、倦怠感、関節痛など全身症状を伴う重症の場合、糖尿病や他の病気でステロイド薬を飲んでいて、感染が重症化する恐れがある人、免疫不全などを起こす病気で療養中の人、飲み薬でなかなか改善しない場合などは入院して点滴で治療します。
足のすねの部分や甲など体の1カ所に皮膚の赤み、腫れ、熱感、痛みが出現したら、蜂窩織炎を発症している可能性があります。半日~2日くらいで急に広がり、発熱、悪寒、倦怠感などを伴ってきますので、早めに皮膚科を受診しましょう。
蜂窩織炎は小さな傷口から細菌が体内に侵入して感染する場合が多いです。まずは水虫などの皮膚真菌症、刺し傷、擦り傷などの外傷を早めに治療しましょう。虫刺され、アトピー性皮膚炎、その他の湿疹などをかき壊して傷にしたりしないようにしましょう。
目に見えないくらいの小さな傷から細菌が皮膚に感染することもあるので、手洗いをしっかり行ない、また全身の皮膚を清潔に保ちましょう。
解説:田村 暢子
若草病院
皮膚科部長
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