社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2020.11.04

麦粒腫 (ばくりゅうしゅ)

hordeolum

解説:瀬口 次郎 (岡山済生会総合病院 岡山済生会外来センター病院 特任副院長)

麦粒腫はこんな病気

麦粒腫は、俗に「ものもらい」や「めばちこ」などと呼ばれ、ちまたでは大変よくみられる眼の病気です。まぶたの中の分泌腺に細菌が感染することで発症します。
睫毛(まつげ・しょうもう)の毛根部に付属する汗腺(モル腺)や皮脂腺(ツァイス腺)に細菌が感染することで引き起こされるものを外麦粒腫(がいばくりゅうしゅ)、まぶたの内部にある瞼板(けんばん)内を縦に走る脂腺である、マイボーム腺に細菌感染を起こすものを内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ)と呼びます。

原因となるのは黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など、人間の皮膚にすみ着くごくありふれた細菌の場合がほとんどです。

麦粒腫の症状

まぶたの痛み、発赤、隆起などがみられます。症状が進行すると膿が皮膚やまぶたの裏側の結膜の下に白い点(膿点)として観察されるようになり、ここから膿が自然に排出されると症状は改善します。

麦粒腫の検査・診断

症状がはっきりと見た目に現れるため、視診での診断が可能です。

麦粒腫の治療法

初期には抗生物質の点眼、軟膏の塗布、内服を行ないます。膿点が観察されるようになると、これを切開して膿の排出を促進します。

まぶたに発赤があっても、軽度で隆起が明らかでない場合には、綿棒などで軽く圧迫してみましょう。痛みを感じるなら麦粒腫である可能性が高いです。

日頃からまぶたの周囲を清潔に保つことが大切です。また、麦粒腫を発症したのちに、まぶたや結膜に慢性的な炎症がある場合もあります。そのため、治癒後もしばらくは治療を続ける必要があります。
高齢者で麦粒腫をたびたび発症する場合には、糖尿病などの易感染性疾患(感染症にかかりやすくなる病気)の有無を検査する必要があるとされています。小児では炎症がまぶた全体に広がりやすく、眼瞼蜂窩織炎(がんけんほうかしきえん)に発展する場合があるので注意が必要です。


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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