社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2013.04.25

ハンセン病回復者支援センター事業を受託

大阪府済生会支部は、「なでしこプラン」の一環としてハンセン病回復者への医療支援等を行ってきましたが、平成25年度から「ハンセン病回復者支援センター事業」を大阪府から受託することになりました。

ハンセン病は「らい菌」によって引き起こされます。らい菌の病原性は弱く、感染してもほとんど発症せず、昭和24年頃から日本でも特効薬が普及し、治る病気になりました。しかし法律によって、明治40年から平成8年まで、療養所入所者は病気が回復しても療養所に強制的に隔離され続けました。長期の隔離政策による偏見によって、患者・回復者はもとより家族までが地域・社会の中で差別を受けました。

平成21年にようやく「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」ができました。しかし、福祉の増進や名誉回復をはじめとするハンセン病回復者に関する諸問題は依然、未解決のままです。家族・親族に迷惑がかかってはいけないと、ハンセン病療養所から退所できなかったり、ふるさとの墓参りにすら帰ることができなかったりする人が多く存在します。また特に、親族の結婚に差し障るのではないかと心配し、病歴を秘匿されている方が多くいるという現状もあります。

大阪府から受託したセンター事業は、(1)ハンセン病療養所入所者とのふれあい体験交流会開催、(2)入所者の里帰り、(3)ハンセン病回復者等支援コーディネーターの設置です。また、大阪市からは、ハンセン病回復者サポーター養成講座(ボランティア養成講座)の開催も受託しています。職員はコーディネーターとして3人、ハンセン病療養所退所者である当事者職員6人が非常勤で相談・支援にあたります。ハンセン病回復者・家族との交流を大切にしながら、問題の解決に向けて取り組んでいきます。

ハンセン病回復者支援センター:加藤めぐみ

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