社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2015.01.28

外島保養院を知っていますか ~大阪でハンセン病問題講演会~

平成26(2014)年度ハンセン病問題講演会

 ハンセン病とは「らい菌」によって引き起こされる病気です。病原性は弱く、感染してもほとんど発症せず、日本では昭和24年頃には特効薬が普及し治る病気になりました。
しかし、明治40年から平成8年まで、療養所入所者は病気が回復しても療養所に強制的に隔離され続け、患者・回復者だけでなく家族までが地域・社会の中で差別を受けました。
平成21年に「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行されましたが、家族に迷惑がかかってはいけないと、療養所から退所できない、社会にある根強い偏見差別のため病歴を秘匿されている人が多くいます。

こうした問題をみんなで考えようという講演会が毎年開かれます。11回目となる今回は、2月14日(土)13:30~16:30、大阪市立阿倍野区民センターで開かれます。テーマは「大阪にあった『外島保養院』の移転問題から考えよう~現在も続く排除と差別 障害者差別解消法の施行に向けて~」です。

外島保養院は、106年前の明治42(1909)年、現在の西淀川区に開設したハンセン病療養所です。増床のため移転計画がありましたが、移転先の住民の反対に遭い、結局、現地でしか増床できず工事に入りました。完成間近の昭和9(1934)年9月21日、死者・行方不明者約3000人を出した室戸台風に襲われ、入所者173人を含む職員・職員家族・工事関係者等196人が犠牲になりました。
大惨事の後、再建を試みますが、再び住民の反対運動に遭い、結局、岡山県長島に移転し光明園として再興。その後、国立療養所邑久光明園になりました。

昨年度開催されたシンポジウムの様子昨年度開催されたシンポジウムの様子

 外島保養院で起きた出来事は、今でも、障害者支援施設の建設反対運動などの形で起きています。
今回の講演会は、外島保養院のドキュメンタリー映画とシンポジウムを通じて、ようやく平成28年度に施行される「障害者差別解消法」に向け、あらゆる差別を禁止する法律はなぜ必要なのかを考える機会にしたいと思います。

当日は資料代500円が必要です。手話通訳・要約筆記もあります。点字資料が必要な方は事前にお申し込みください。
問い合わせは、大阪府済生会ハンセン病回復者支援センターまで(06-7506-9424)

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