済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
「コラーゲンが肌によい」「クエン酸はダイエット効果がある」と聞くと、そればかり摂取していませんか? そして、期待した効果が出なくてがっかり……という経験はないでしょうか。それらの多くは、誤った知識に基づいた”神話”です。栄養素と身体の正しい関係を覚えておきましょう。
ドベネックの桶
「ドベネックの桶」をご存じでしょうか? これは、「リービッヒの最小律」という植物の成長の仕組みを例えた図です。右の図を見てください。桶の中の水が植物の成長量、板が成長に必要な要素や養分です。たくさん摂れている養分の板は高くなりますが、不足している養分の板は低いまま。結局、そこから水が漏れていってしまいます。
このように、植物の成長には、最も少ない要素が関係するというわけです。一つの板を高くするのではなく、バランスよくすべての板を高くすることが大事。つまり、「すべての要素をバランスよく補給する」ということが肝心です。
人間も植物と同様です。人の身体には、三大栄養素と言われるタンパク質・脂質・炭水化物のほか、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。たくさん摂取している栄養があっても、どれか一つが不足していれば、健康な状態は保てません。必要な栄養素をバランスよく摂取して、必要量を満たすことが大切なのです。
それではバランスのよい食生活を送るためには、どうしたらよいのでしょうか?
図1を見てください。これは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」という指標です。1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安をコマに見立てて示しています。コマは、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのグループから成り立っており、上部にあるグループほどしっかり食べる必要があります。
必要量は、それぞれSV(サービング)という単位で表され、さらに、1日を通して十分摂る必要がある水・お茶といった水分はコマの軸に、食事全体の中で適度に摂る必要がある菓子・嗜好飲料は(1日200kcalが目安です)、コマのひもとして表現されています。バランスよく食べて適度な運動をするとコマは安定しますが、どこか1つでも足りないとバランスを崩して、倒れてしまいます。コマをバランスよく回し続けられるよう、毎日の自分の食事をチェックしてみましょう。
また、図1は1日に必要なエネルギー量が2000~2400kcalの基本形です。必要な量は、年齢や性別、1日の活動量などによって異なるので、それぞれ自分の適量を図2で確認しましょう。さらに、これは健康である場合の目安なので、糖尿病や高血圧、妊娠中などの方は、医師や管理栄養士に相談しましょう。
図2
出典:農林水産省ホームページ
中村 康
中央病院
栄養管理科 科長