社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2014.06.30 W杯「日本」の応援に行った皆さん、デング熱にご注意!

前原潤一先生
前原潤一先生

 連日熱戦が繰り広げられているサッカー・ワールドカップ。開催地のブラジルでは盛り上がりを見せていますが、現地ではデング熱が流行しているとのことです。日本では耳慣れないこの病気について、済生会熊本病院・救急総合診療センター救急科の前原潤一(まえはら・じゅんいち)先生に伺いました。

デング熱は、デングウイルスを持っている蚊に刺されることで感染する病気で、南米や東南アジア、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域で流行しています。国内では、流行地域から帰国した人のうち、年間約200人がこの病気だと診断されています。
蚊に刺されて感染すると、3日~1週間後に発症します。最初に頭痛や目の痛みなどを伴う発熱が起こり、その数日後、発疹が腹部や背中に広がることが特徴です。治療薬はありませんが、たいていの場合は10日以内に自然に治ります。ただし、まれに重症化し、”デング出血熱”と呼ばれる出血やショック状態を起こすことがあります。
前原先生は、「流行地域への渡航後2週間以内にこうした症状があり、特に鼻血や、皮膚に赤色の発疹が出現する『点状出血』などが見られる場合は、速やかに病院を受診してください。その際は、医師に渡航歴があることを忘れずに伝えましょう」とアドバイスしています。

医学誌に掲載された予測では、ワールドカップで日本戦の会場となったレシフェやナタルは、特にデング熱のリスクが高い地域だとされています。患者数は例年の10倍になるとも言われています。体の不調は敗戦ショックのせいばかりではないかもしれません。現地へ観戦に訪れた方は、帰国後の体調変化に気を配りましょう。
また、もうすぐ訪れる夏季休暇の時期には、海外旅行を予定されている方もいると思います。流行地域へ旅行する際は、長袖などの肌を露出しない服装を心がけることが重要です。市販の虫よけスプレーを使用することも有効です。予防ワクチンはないので、できるだけ蚊に刺されないように注意しましょう。