社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2022.09.12

昭和館で済生会25周年記念のポスター展示



 東京・九段の昭和館で、済生会創立25周年の記念ポスターが展示されています。
 明治天皇の勅語(おことば)に基づき明治44年(1911)5月30日に発足した済生会は、昭和11年(1936)に創立25年を迎えました。このころ貧しい人たちに無償で医療を提供する活動は全国に広まっており、ポスターには「恩賜(おんし)の治療 津々浦々に」のコピーが見えます。メインの絵は洋画家・版画家の和田三造による花々ですが、当時、和田は東京美術学校(東京芸大)の図案科教授で、ポスター自体のデザインも担当した可能性があります。

 25周年記念式典は昭和11年5月30日に開催する予定でした。しかし、2月26日、軍部の若手将校によるクーデター未遂の「二・二六(ににろく)事件」が発生。翌27日から首謀者らの死刑が執行された後の7月18日まで戒厳令が敷かれたことから式典は1年延期され、昭和12年5月26日に皇后陛下ご臨席の下、憲法記念館(明治記念館)で開かれました。
 ポスターは11年に準備されていたものか12年に制作されたものか、記録はありませんが、式典に先立ち東京のデパートのショーウインドウや街角に貼り出されました。

 昭和館は国立の施設で、激動の昭和を暮らした庶民の生活を中心にさまざまな展示が行なわれています。防空壕の中で爆撃機の飛行音や焼夷弾の投下音を体験できるコーナーや、8月15日にポツダム宣言を受諾した昭和天皇の終戦の「玉音放送」の全文をリアルな音で聞くこともできます。済生会のポスター展示は12月まで。地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下」駅出口4から徒歩1分。入場料は大人300円。

本部事務局広報室

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