社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)
2013.07.16

玄界灘の離島へ毎月ヘリで診療に

玄界灘の離島へ毎月ヘリで診療に済生会福岡総合病院では、社会福祉事業の一つとして福岡市消防局と協力し、月1回ヘリで医療スタッフを市の北西40kmの玄界灘に浮かぶ小呂島(おろのしま)に派遣し、島民の診療に当たっています。今回、7月10日に行われた派遣診療を取材しました。

小呂島は人口約200人で、晴れた日には島内から長崎県の壱岐・対馬が見えます。島の男性は旋網(まきあみ)でブリやヒラメ、女性は海女(あま)としてアワビやサザエなどを獲っています。福岡市の港から1日1~2往復の定期船が出ていますが、片道で1時間以上かかり、海が荒れた場合には欠航となります。島には診療所があり、市の看護師1人が常駐して島民の健康に気を配っていますが、医師はいません。

玄界灘の離島へ毎月ヘリで診療に午前9時30分、航空消防隊基地より内科医1人、研修医1人、看護師1人、歯科医1人の計4人を乗せたヘリが出発。歯科医は当院のスタッフではなく、開業されている方です。15分ほどで島に到着。一行を下ろすと、ヘリはとんぼ返りします。

10時から現地の看護師さんも加わって、診療所で診察開始。同時に「済生会が来ました~」と防災無線で島中にアナウンスされます。実は、毎年1回、20人前後の済生会スタッフが島を訪れ、健康診断を行っていて、今年は1カ月前に実施したばかり。その時の結果は各人に通知してあるのですが、その中身がよく分からないと、お年寄りがペーパーを持って聞きに来ます。今回は13人の方が来訪し、医師が一人ずつ丁寧に説明していきます。

健診で問題のあった人に加えて、それとは関係なく受診に来た人の診察も行います。こちらの患者さんは計14人。受診したおじいさんは「年をとったら船に乗っていくのは面倒やけん、診に来てくれるのはありがたい」と語っていました。昔は病人が出ると、みな自分の船で病院に運んでいたそうですが、今は急患が出たらヘリで病院に向かいます。

診療は正午で終了。お昼休みのあと、午後2時からは現地の看護師さんが最近島内で行った処置について、カルテを見ながらチェックしました。看護師さんによると、きちんと病院で診てもらうよう勧めても行きたがらない人が多いとのこと。船は1日1~2便、片道65分ですから仕方ないのかもしれません。

午後3時半に迎えのヘリが飛来し、スタッフを乗せて帰りました。月1回の診療は昭和36年から、年1回の定期健診は昭和45年から続いています。これからも継続していく予定です。

福岡総合病院済生記者:清田 照代

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