済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
宮崎県済生会 日向病院では、耐震性の強化を図るために病院の新築工事が始まり、古い建物の解体が行われています。
7月初めの朝のこと。この日、出勤してきた事務職員である私の机の上に、なんとツバメのヒナがいました! 外科の先生が解体が始まっている外来棟の建物の下で、巣から落ちてピーピー泣いていたところを拾ってきたのだそうです。実は、建物の軒にはこの時期たくさんのツバメが巣を作っています。建物の解体は、巣を作っていたツバメの親子にとって最悪の事態でしたが、「耐震化」の緊急度も高いのです。
とりあえず机の横に紙箱を置いて、体長10センチにも満たないヒナをその中に入れました。しかし、巣から落ちて数時間も経っていたようで、そのときは瀕死の状態でした。目を開けることも、口を開けることもしません。何とか元気になってもらいたいと、鳥の餌を水で溶いて、スポイトでクチバシの横から無理やり流し込みました。これを1時間に2回のペースで行いました。最初はなかなか口を開けてくれなかったのですが、何度か繰り返しているうちに、急にものすごい勢いで食べ始め、みるみるうちに元気になっていきました。そのあとは、鳴いて餌を要求し始め、口を大きくひし型に開けて待っています。
そんな姿も愛くるしく、餌をやるのも楽しくなってきました。ですが、ツバメは渡り鳥です。仲間と一緒に渡らせるためには、いつまでも私のもとに置いておくわけにはいきません。病棟解体の工事現場に行き、工事作業のおじちゃんに相談をしてみると、解体する予定のない病棟の一部に「ちょうど同じくらいのヒナがいる巣があるがね。そこに入れちゃろかね」と言ってくれました。そのおじちゃんは、落ちたツバメのヒナをすでに何羽も他の巣に入れて助けていたとのことでした。
おじちゃんにヒナを託してから数時間後、気になってのぞいてみるとヒナがいません! あわてておじちゃんのところまで行くと、そのヒナは里親に何度も巣から落とされていたので、別の巣に移動させたとのこと。そちらへ行ってみると、あのヒナがいました。2羽だった巣が3羽になっており、翌日もちゃんとそこにいました。おじちゃんの話によると、2番目の里親も最初は警戒していたけれど、しばらくして自分の子と同じように餌を与え始めたということ。これで一安心しました。
外来棟がすべて解体されるまであとわずか。まだ、その建物に残っているツバメたちは、工事の進行と競うようにシートの間から急ピッチで餌を運んでいます。みんな無事に飛び立てますように。
日向病院済生記者:宮越 恵利