済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
今年は例年になく多い熱中症。気温の変化に体がついていけないと起こりやすく、真夏になっても気候が安定せず、今後も注意が必要です。熱中症に詳しい横浜市東部病院小児肝臓消化器科の十河剛(そごう・つよし)先生に熱中症の対策を聞きました。
十河剛先生
総務省消防庁は、熱中症で救急搬送された人の数が5月27日の集計開始から7月28日までに2万6860人(速報値)に達したと発表しました。年齢別では、65歳以上の高齢者が1万3014人で全体の48.5%を占め、圧倒的な数となりました。今年は例年に比べて梅雨明け前から気温の高い日が続き、さらに梅雨明けも例年より10~20日も早まりました。7月15日から21日までに東京都で268人、大阪府で276人、愛知県で228人が熱中症で救急搬送されています。
患者急増について、十河先生は「熱中症は、体が暑さに慣れていない時期が一番起こりやすく、今年熱中症が多いのは梅雨明けから急に気温が上がったことが大きな要因でしょう」と指摘しています。先生によると、体には体温を一定に保とうとするしくみがありますが、暑い環境で体内にこもった熱を放出できなくなると、体調に異変が生じます。これが熱中症で、軽症の場合は立ちくらみ、頭痛、倦怠感、吐き気などが現れます。ただ、なかなか気づきにくく、風邪と勘違いすることもあるようです。重症の場合は痙攣(けいれん)や意識障害を起こし、死に至ることもあります。
特に高齢者は、体の水分量が少ない上に、熱がたまって脱水状態を招きやすくなります。のどの渇きや暑さに対する感覚も低下し、気づかないうちに重症化することもあります。熱中症になったら、まずは日陰など涼しい場所に移動し、屋内であればエアコンや扇風機を使って体を冷やすことが大切です。
脱水状態に近いのに気がつかない「かくれ脱水」というのがあって、そうした状態があることを心がけておくことも必要だそうです。十河先生は、「日ごろから、脱水状態になる一歩手前の『かくれ脱水』に注意して、喉が渇いていなくても積極的に水分をとるように心がけてください。高齢者は糖分が多いスポーツドリンクより、糖分と塩分を適度に含む経口補水液がお勧めです」とアドバイスしています。
また、十河先生が委員を務める『教えて!「かくれ脱水」委員会』のWebサイトからも、「かくれ脱水」の段階から熱中症予防と対策についての情報を確認することができます。