社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2016.11.19

子どもの貧困考えるシンポ、栃木で


子どもの貧困に焦点を当てた「生活困窮者問題シンポジウム」1119日、宇都宮市の栃木県総合文化センターで開催されました。「子どもの貧困は誰のせい?」をテーマに福祉関係者ら約200人が参加し、子どもの6人に1人が貧困状態と言われる現在の状況をどうしたら改善できるかを考えました。

午後130分に開会し、炭谷茂理事長が「済生会の使命の第一は生活困窮者の支援です。子どもとその家庭の貧困問題を解決するために済生会がどう行動しなければいけないかを、一緒に考えていただきたい」と挨拶。基調講演として下野新聞社編集局社会部の山﨑一洋部長代理が「『貧困の中の子ども』を取材して~子どもの希望を考える~」と題し、同紙に連載した記事に基づいて子どもたちの貧困の実態を解説しました。

シンポジウムでは、とちぎソーシャルケアサービス従事者協議会・大友崇義代表がコーディネーターとなり、一般社団法人栃木県若年者支援機構・中野謙作代表理事、社会福祉法人宇都宮市社会福祉協議会・遠藤泉主任、NPO法人北関東医療相談会(通称:AMIGOS)・長澤正隆理事兼事務局長、済生会宇都宮乳児院・髙橋洵貴家庭支援専門相談員、済生会宇都宮病院・荻津守地域連携課長の5氏がそれぞれの活動を報告。「社会全体の就労は増えているが、困難を抱える若者の就労は逆に悪化している」「問題を抱える親や子は孤独・孤立の状態にある」「日本に不法滞在している外国人の子は、現実的に社会的支援が受けられない」など、子どもの貧困の実態を次々と明らかにし、その中から浮かび上がった支援に必要な施策を訴えました。
会場は、子どもの貧困は子ども自身の責任ではなく、貧困の連鎖を防ぐには親を含めた家庭への支援を、地域と行政等関係機関が連携して行っていかなければならないことを確認しました。

最後に栃木県済生会の中里勝夫支部長が「シンポジウムを通し、子どもの貧困は誰かのせいではなく、我々一人ひとりが自分の問題として受け止めていかなければならないことが明らかになったと思います」と挨拶し、午後5時過ぎに閉会しました。
同シンポジウムは済生会が年1回、テーマを変え各地で開催しているもので、東京、山形、大阪、新潟に続いて5回目です。

済生会宇都宮病院済生記者:秋山 綾香

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