社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2025.05.09

総裁 秋篠宮皇嗣殿下が福岡県済生会八幡総合病院をご訪問

 済生会総裁の秋篠宮皇嗣殿下が5月8日(木)に、昨年12月末に北九州市の八幡東区から八幡西区に新築移転した八幡総合病院をご訪問になりました。
 殿下は、済生会本部の 炭谷茂理事長、松原了理事、福岡県済生会の大森徹支部長、八幡総合病院の古森公浩院長、八幡医療福祉センターの北村昌之センター長(名誉院長)が出迎える中、お昼過ぎの12時10分に同病院にご到着されました。古森院長から施設の概要や特徴について説明を受けられた後、病院内をご視察されました。

手術室

 はじめに、2階のフロアを訪れ、手術室と透析室をご視察されました。古森院長から「当院では、今回の移転新築に際して、がん、脳卒中、心筋梗塞といった三大疾患をはじめ、多くの高度急性期医療に対応するための体制を整備しました。手術室の拡張を行ない、内視鏡手術支援ロボットの導入やハイブリッド手術室の設置を行ないました。これらにより、より高度で安全な医療を提供し、地域医療へ貢献することを目指しています。また、当院の特徴として、血管外科や脳外科疾患、透析医療において、専門性の高い診療体制を整えています」と説明しました。
殿下は、7つある手術室のモニターをご覧になりながら、看護師に各手術室の状況をお尋ねになりました。

 次に、1階フロアにある、患者支援センター、救急外来、女性外来及び外来処置室をご視察されました。古森院長から「新病院では、原則1か所で各事務手続きができる患者支援センターを設置し、また、診察室を移動することなく複数科の診察が可能となるように処理室を囲むように診察室を配置したノンテリトリアル外来としています。これにより、待ち時間の短縮が可能となり、新病院の特徴の一つである『特に高齢者にやさしい病院』というコンセプトを体現しています。今後も、患者さんにとって快適で安心できる医療環境の整備に努めてまいります」と説明しました。
 殿下は、この診察室の配置にご興味を示され、ナースステーションの位置や実際の運用についてお尋ねになり、院長や看護師からご説明をしました。

 次に、8階に移動し、病棟をご視察されました。
 デイルームの大きな窓から外の景色をご覧いただいた後、看護部長から特殊浴室の説明を行ないました。
 殿下からは1回の利用時間はどの程度ですかというお尋ねがあり、洗髪を含めて20分程度ですとお答えしました。
 一般個室では、感染管理認定看護師から、床材の巻き上げや壁排水を採用するほか、ベッド等を全てキャスター付きにして十分に清掃できるよう工夫していることをご説明しました。また、二重扉を設置し陰圧を調整して感染拡大防止を図れるようにした個室もご案内し実際に二重扉の開閉をご披露しました。
 殿下からは、部屋の圧力を調整できる部屋はどのくらいあるのかというお尋ねがあり、担当看護師から病棟全体で6室あるとお答えし、センター長からはハイケアユニット(HCU)にも陰陽圧可変室を設置しているという補足説明を行ないました。

リハビリテーション室ご利用者

 ご視察の最後に、3階フロアにある、リハビリテーション室と屋外リハビリテーション室をご視察されました。
 担当技師長から説明を行なった後、リハビリを行なっていた多くの患者さんに殿下からお声がけをいただきました。
 屋内でリハビリを行なっていた患者さんに対し、殿下からどの程度の時間リハビリをされているのですかというお尋ねがあり、患者さんからは1時間から2時間程度毎日行っていますと答えられていました。
 屋外でリハビリを行っていた患者さんに対しては、殿下からのどのようなリハビリですかとのお尋ねに対して、患者さんからは自宅に戻るための階段の上り下りの練習ですと説明がありました。
 殿下からは皆さんに対して、「お大事になさってください」とのお言葉をいただきました。
 また、今年の4月に入職したばかりの新人スタッフ数名にもお声がけをいただきました。
 「皆さんはどうしてリハビリの仕事をしようと思われたのですか?」というお尋ねに対し、新人スタッフからは「学生の頃に部活で怪我をしてリハビリをした経験がきっかけです」や「おばあちゃんがリハビリをしていて興味を持ちました」とお答えをしました。殿下からは「これからも頑張ってください」という励ましのお言葉をいただきました。

 福岡県済生会八幡総合病院は、1927(昭和2)年に現在の福岡県北九州市八幡東区で発足し、100年弱の長きにわたり地域の方々に親しまれてきましたが、施設の老朽化及び狭隘化に伴い、2024(令和6)年12月末に福岡県北九州市八幡西区則松へ移転・新築いたしました。
 新病院では、医師・看護師をはじめとする医療スタッフのさらなる充実を図り、「入院したい病院」「入院させたい病院」を目指して、職員一同が日々努力を重ねております。
 移転早々に総裁 秋篠宮皇嗣殿下にご訪問いただいたことは患者さんはもちろん職員にとりましても大変ありがたいことで励みになりました。
 これまで実践してきた地域にやさしい医療を提供するとともに、医療技術の発展に寄与するという当院の伝統と志を受け継ぎ、今後も引き続き、社会から求められるさまざまな課題に真摯に取り組み、地域に信頼される病院を目指してまいります。

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