社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

カラダと栄養正しい食生活のすすめ ~栄養素と身体の関係~

「コラーゲンが肌によい」「クエン酸はダイエット効果がある」と聞くと、そればかり摂取していませんか? そして、期待した効果が出なくてがっかり……という経験はないでしょうか。それらの多くは、誤った知識に基づいた”神話”です。栄養素と身体の正しい関係を覚えておきましょう。

バランスのよい栄養補給が一番

ドベネックの桶
ドベネックの桶

 「ドベネックの桶」をご存じでしょうか? これは、「リービッヒの最少律」という植物の成長の仕組みを例えた図です。右の図を見てください。桶の中の水が植物の成長量、板が成長に必要な要素や養分です。たくさん摂れている養分の板は高くなりますが、不足している養分の板は低いまま。結局、そこから水が漏れていってしまいます。

 このように、植物の成長には、最も少ない要素が関係するというわけです。一つの板を高くするのではなく、バランスよくすべての板を高くすることが大事。つまり、「すべての要素をバランスよく補給する」ということが肝心です。

 人間も植物と同様です。人の身体には、三大栄養素と言われるタンパク質・脂質・炭水化物のほか、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。たくさん摂取している栄養があっても、どれか一つが不足していれば、健康な状態は保てません。必要な栄養素をバランスよく摂取して、必要量を満たすことが大切なのです。

バランスのよい食事とは?

 それではバランスのよい食生活を送るためには、どうしたらよいのでしょうか?
 図1を見てください。これは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」という指標です。1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安をコマに見立てて示しています。コマは、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのグループから成り立っており、上部にあるグループほどしっかり食べる必要があります。

 必要量は、それぞれSV(サービング)という単位で表され、さらに、1日を通して十分摂る必要がある水・お茶といった水分はコマの軸に、食事全体の中で適度に摂る必要がある菓子・嗜好飲料は(1日200kcalが目安です)、コマのひもとして表現されています。バランスよく食べて適度な運動をするとコマは安定しますが、どこか1つでも足りないとバランスを崩して、倒れてしまいます。コマをバランスよく回し続けられるよう、毎日の自分の食事をチェックしてみましょう。

 また、図1は1日に必要なエネルギー量が2000~2400kcalの基本形です。必要な量は、年齢や性別、1日の活動量などによって異なるので、それぞれ自分の適量を図2で確認しましょう。さらに、これは健康である場合の目安なので、糖尿病や高血圧、妊娠中などの方は、医師や管理栄養士に相談しましょう。


図1(クリックすると拡大できます)

適量チェックchart
図2

出典:農林水産省ホームページ

中央病院 栄養管理科 係長 中村 康

中村 康
中央病院
栄養管理科 科長

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