エコノミークラス症候群が続出、「十分な水分と体動かして」
熊本地震による避難が続く熊本県。同県益城町の展示施設「グランメッセ熊本」の駐車場では夜間、およそ2000台の車が集まり、数千人が車内で寝泊まりしていると報道されています。
そうした中、「エコノミークラス症候群」の患者が相次いでいます。
熊本市南区にある済生会熊本病院では、17日朝から搬送されるなどした男女12人を同症と診断しました(20日時点)。
エコノミークラス症候群は、飛行機のエコノミークラスなど、狭い座席に座った旅行者に発症しやすいことで知られるようになりました。「旅行者血栓症」とも呼ばれています。
同じ姿勢で長時間座ったままでいることで、足の血液循環が悪くなり、静脈に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。血栓ができた状態で歩き始めると、血栓が血流に乗って移動。これが肺の血管で詰まると肺塞栓症(はいそくせんしょう)となります。小さな血栓では呼吸困難や胸の痛みが生じ、大きな血栓では失神することがあります。
内科・血管外科が専門の大阪府済生会富田林病院・大谷正勝救急センター長は、「もともと高脂血症などのリスクを抱えている方は特に注意してください。脱水を招くアルコールやコーヒー(カフェイン)を飲むことは控え、水分を十分にとり、なるべく車外に出て体を動かしてください」と呼びかけています。