社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2017.08.07

千葉周作の碑 陸前高田診療所で復興


岩手県陸前高田市にある幕末の剣豪・千葉周作生誕地の記念碑は東日本大震災で倒壊しましたが、このほど修復され、済生会陸前高田診療所の敷地の一角に再建されました。

碑は御影石で高さ約2メートル。再建にあたった同診療所の伊東紘一所長とカヅ子夫妻は「周作の父は医師だったことが分かっており、この地で医療を行う者として強い縁を感じた」と話しています。

千葉周作は北辰一刀流の開祖。江戸・神田お玉が池に「玄武館」道場を構え、門弟三千五百人と言われました。弟・定吉に任せた桶町(日本橋)千葉道場には坂本龍馬も通い、定吉の娘・佐奈と婚約したとされます。

こうした周作の高名とは逆に、その出生地は定かではなく、昭和に入って同市のほか宮城県栗原市、同県大川市などの説が提唱され、論争を繰り広げました。陸前高田市の「生誕之地」の碑もその頃、地元有志によって昭和50年に同市今泉地区に建立されました。しかし、平成23年3月11日の大震災の津波で土台ごと流され、下4分の1のところで二つに折れてしまいました。

同診療所は復興支援のため今年2月、同地区にオープン。周辺では現在、住宅建設に向けた土地のかさ上げ工事が進められていますが、碑は放置されたままでした。このため伊東夫妻が修復に名乗りを上げ、元あった所から約500メートル離れた診療所に再建しました。

周作の生誕地をめぐっては、近年、隣の宮城県気仙沼市とする史料が新たに見つかり有力視されていますが、確定するには至っていません。

済生会陸前高田診療所:済生記者 麻生 エミ

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