済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
辨野義己先生
市民公開講座
第72回済生会学会を記念した初の市民向け公開講座が2月8日、新潟市で開かれました。「おなかの健康は長寿の秘訣(ひけつ)」と題し、最近、健康との関連で注目を集める腸内細菌がメインテーマ。人の体の中にすむ細菌の働きの数々に、会場の新潟ユニゾンプラザは約300人の市民の驚きであふれました。
この講座は、腸だけでなく口から肛門までを1本につながった消化管としてとらえ、各所にいる細菌の働きを紹介するユニークな内容です。本間照・済生会新潟病院副院長が消化管の構造と人体の常在菌、両角祐子・日本歯科大学新潟生命歯学部准教授は歯周病と全身の関わりについてそれぞれ講演。「うんち博士」として知られる理化学研究所の辨野(べんの)義己先生は「“長寿菌”がいのちを守る!~健康長寿100歳をめざして~」と題して登壇。免疫・寿命・美容・肥満などとの関連が指摘され、健康を語るうえで欠かせなくなった腸内細菌の大切さを訴えました。
辨野先生は「大腸を制することが健康長寿100歳の秘訣。がんをはじめ大腸の病気を防ぐには、ビフィズス菌と酪酸産生菌の二つの“長寿菌”を活性化することが大事です。そのためにも菌のエサとなる食物繊維や発酵食品を多く摂りましょう」と、健康に長生きするためのコツを伝授。「あなたのうんち、臭くないですか? 便所は体が発する健康便りを受け取る“お便り所”。毎日、うんちを確認すれば健康度が測れます」と蘊蓄(うんちく)たっぷり、うんち博士の面目躍如で笑いを誘いました。
座長を務めた寺井崇二先生(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)と、最後にあいさつに立った新潟県済生会の上村朝輝支部長が「うんち博士に教えていただいた貴重なアドバイスを生かし、みなさん実行に移して長生きしましょう」と呼びかけました。
済生会学会は済生会の役職員2300人が参加して2月8、9の両日、新潟市の朱鷺(とき)メッセを主会場に開かれます。
新潟病院 済生記者 渡辺佳奈子