済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
漆原誠先生
「ヘルパンギーナ」は、乳幼児の間で流行しやすい夏風邪の一種です。例年6~7月ごろに流行しますが、今年はゴールデンウィークを過ぎたころから患者が増加しています。
国立感染症研究所が7月15日にまとめた、感染症週報第27週(6月30~7月6日)の「定点当たり報告数」(報告数/定点医療機関数)は2.54で、昨年の同時期(1.78)に比べて高くなっています。都道府県別では、鳥取県が7.16と過去5年間で最も高く、ヘルパンギーナ警報が発令されています。次いで宮崎県(5.28)、奈良県(5.03)と続きます。
鳥取県済生会境港総合病院・小児科の漆原誠医師によると、ヘルパンギーナの患者数は例年6月から7月にかけてピークとなり、8月になると減少し、9月にはほとんど終息するようです。患者はほとんどが4歳以下で、1歳代が最も多く、次いで2、3、4、0歳代の順となっています。症状としては、突然の発熱とともに、喉の奥に周囲が赤くなった1~数ミリ程度の小さな水疱や、浅い潰瘍がみられます。また、一時的に嘔吐や頭痛の症状が現れることもあります。
ヘルパンギーナはエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群が主な原因です。コクサッキーウイルスA群にはさまざまな型があり、毎年複数の型が流行するため注意が必要です。
このほか、子どもが夏にかかりやすい感染症は、ヘルパンギーナと同じコクサッキーウイルスA群が原因の手足口病や、アデノウイルスが原因の咽頭結膜熱(プール熱)などがあります。
「いずれも、くしゃみなどの飛沫、接触によって人から人に感染します。予防のためには、まずはこまめな手洗いを心がけることが大切です」と漆原医師はアドバイスしています。